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*藤袴 -thoroughwort-*

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10000ヒットを記念して募集した限定リク第二弾!
なな様リクエスト作品です。
      
<リク内容>
ナル×麻衣ならなんでもOKとの事でしたので朽葉が勝手に作らせて頂きました。
長編「唯ひとつのゆらぎ」の3ヶ月前の出来事。
途中ちょーっと後ろ向きな麻衣ちゃんが出て来ますのでご注意下さい。







突然イギリスに帰ると言ったナルを見送って早いもので3日経った。
パトロン達に無理矢理に呼び出され非常に不機嫌な顔で搭乗口に向かったナル。
きっと向こうで可哀想な研究員が八つ当たりを受けているのだろう。短くて一週間、長ければ一ヶ月の滞在になるらしい。


「ひとりの夜には慣れてたハズなんだけどなぁ...」


思わず呟いてしまった言葉を聞く者はだれも居ない。時計の秒針が、チッチッチッと時を刻む音が厭に大きく聞こえる。
静まり返ったリビングで温かい紅茶を飲みながら黒衣の青年を思い出させる美しい月を見ていた麻衣は、いつの間にか
夢の中に誘(いざな)われた。



「しまった.....」

そうは思えど後の祭り。翌朝目覚めた麻衣は完璧に風邪を引いていた。
大学が休みなのと所長不在でバイトが休みなのが救いだろうか...取りあえず水分を採らなくては、との思いで
キッチンへ向かったものの視界があまり良ろしく無い。頭がぐらぐらと揺れ、頭痛がする。
これは熱が有りそうだ。ナルが帰ってくるまでに治さなければ何を言われるか判ったものじゃない。
お茶を入れる気にもなれず、ナル用に冷やされたミネラルウォーターを手に取る。
市販の解熱剤を流し込み、ペットボトルを手に寝室へ向かう。
身体が重い.........ベッドに倒れ込んだ瞬間、全てのものが掻き消えた。



「あははは」
「ふふ」

誰かが遠くで笑ってる声がする。ゆらゆらと波に揺られている様な感覚が全身を包んでいる。

「.....ん.......ょ」

今度は何だろう?

「..ぃ...ん、あ...しょ」

ワタシはこの声を知ってる気がする...

「....だれ?」
              (誰だと思う?)
「....女の子、だよね?」
              (うん)
「会ったこと有るよね?」
              (どうだと思う?)
「...さっき何て言ってたの?」
              (ないしょ♪ じゃぁ、バイバイ)

頭に直接響くような声は、それっきり聞こえなくなった。
あれはダレ?

(麻衣)

今度は、誰?

(麻衣)

「.....ぉ母...さん?」

(麻衣)

「っ...お母さん! どこ!」


なぜ声しか聞こえないんだろう? 周りはこんなにも明るいのに!? ...そうか明る過ぎて見えないんだ。

(麻衣、愛してるわ)

一瞬、頬に触れたのは母の手だろうか? 耳元で囁かれた声を最後に母の声も聞こえなくなった。



あぁ、そうだ。あの子は確か小さい頃、近所に住んでた女の子だ。
いつも一緒に遊んでたのに......もう、居ないヒト


お父さん

お母さん

ジーン




いつかナルにも置いて行かれるのかな?




NEXT >


く、暗い...


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視界に飛び込んで来たのは燃える様な赤。心臓がドクドクといつもより早い鼓動を刻んでる気がする。
身体には嫌な汗が浮かび、頬も濡れている。
そうか “ゆめ” だったのか.....夢を見て泣くなんていつ以来だろう。ここ最近は無かったのに。
時計を見れば夕方4時を指していた。薬を飲んだのは朝だったはずだから随分と眠ってしまったようだ。

「着替えないと....」

寝室を出て脱衣所に向かうと、お湯で絞ったタオルで身体を拭い新しいパジャマに変える。
ダメだとは判りつつ、昨日からの衣類も有るので洗濯機を回してしまった。
身体は正直で、さっき起きた時より熱が上がって意識が朦朧としているのが自分でも判る。
水と薬を飲んだらベッドに戻ろう。






ピッ
カチャ.....バタン


「...疲れた」

扉を閉めるとつい愚痴が零れる。あんなどうでも良い事で呼び出されたかと思うと飛行機の時間以上に疲れが溜まる。
今は午前2時。延着も重なって散々だ。

紅茶が飲みたい....

しかし、その為だけに熟睡中だろう麻衣を起こすのは躊躇われる。
仕方無い自分で淹れるか。キッチンへ向かえば、ミネラルウォーターのペットボトルが転がっていた。
麻衣が飲んだのだろうか? 妙な違和感を拭えず僕は寝室へ足を向けた。

「麻衣?」

念の為、小声で呼んでみる。毛布に丸まり寝る姿はいつもと変わらない。しかし何かが違う気がした。
ベッドの縁に回り込み麻衣の顔を覗き込めば、その直感が正しかった事を知る。
少し顰められた眉、少し赤い頬、深いが熱を孕んだ呼吸。その全てが体調不良を訴えている。

「....馬鹿が」

因りによって僕が居ない時に....こんな時くらい電話してくれば良いものを、と思う。
それが躊躇われるなら、せめて松崎さんや原さんに連絡....は思い浮かばないんだろうな。
溜め息を吐きつつ、麻衣の額に手を当て熱を確認する。やはり、かなり熱い。

「馬鹿め」

もう一度そう呟くと、ナルは寝室から出て行った。





朝日が射し込む寝室で瞳を開けたら居ないハズの人が居た。

「....な...る?」
「起きたか」

額と首筋に手を置くと “下がったな” と呟くナル。
現状が掴めず瞬きを繰り返す私を見たナルは、頬に手を伸ばすと思いっきり抓った。

「いっ、痛い痛い痛い痛い痛い!!」
「煩い」

抓られた頬を擦りながら見上げれば綺麗に微笑んだナルの顔....頬が引き攣る

「い、いつ帰ってきたの?」
「夜中の2時」
「お、お疲れー」

へらりと笑ってみるがそんな事で騙されてくれるナルじゃぁ無い。

「えぇ、十時間以上のフライトを終え帰ってきてみれば、誰かさんが意識混濁していらっしゃっいまして実に驚かされました」
「............」
「お前はバカか?」
「ご、ゴメン」

心配させた事は判っているので謝るしかない麻衣。

「松崎さんあたりに連絡しようとは思わなかったのか?」
「え、だって只の風邪.....スミマセン」

鋭い目線で睨まれてしまうと反論も出来ない。う〜ぅ、何でこんな事に....とは思うが自業自得なのでどうしようも無い。


「僕を呼べ」

一言だけ告げると降りて来た唇。

「躊躇う必要は無い....僕を、呼べ」

間近で見たその瞳に愛しさが込み上げて、私は笑った。



「あのね、ナルの居ない部屋がこんなにも寂しいなんて思わなかった」

内緒話しのように囁けばもう一度、優しい口付けが与えられた。



end  



「唯ひとつのゆらぎ」の数ヶ月前の出来事。
この事を反省したナルは麻衣を目の届くとこに置いておく事にしたんです(笑)
なな様リクエストありがとうございました。
お任せとの事でしたので、頭に浮かんだ “風邪ひき麻衣” の単語に従ってみました。
どうせならナル不在の時にしてやろうと企んだ結果です。
お楽しみ頂けたなら幸いです。

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10000ヒットを記念して募集した限定リク第三弾!
るいす様リクエスト作品です。
              
<リク内容>
ナル麻衣で、麻衣の友達 or 旧友から見た2人。
詳細はお任せとの事でしたのでしっかり捏造させて頂きました♪
 




「ねぇ、麻衣。渋谷さんは学祭見に来ないの? 明日最終日でしょ?」
「ナルが?来る訳無いじゃん学祭なんか興味無いもん」
「ふーん....」



学祭最終日、残す時間は5時間ってとこだろうか? 客寄せの声なども飛び交い賑やかに盛り上がっている。
そんな中、私はカフェの一席で友達とお昼ご飯を取っていた。

「あーっ!居たーーーっ!谷山さん!!お願い、救世主になって!!」

いきなり叫んだ先輩は、猛ダッシュで走り寄り麻衣を捕獲、そのまま連れ去った。
「あ、あたしのご飯がーっ!!」という色気は無いが切実な悲鳴を残して.....

「ミハル先輩、実力行使に出たね」
「前から麻衣に出て欲しいって言ってたもんね」
「あぁ、平日に麻衣捕まえんの無理だったって嘆いてたやつ?」
「そ....ね、席取りに行かない?」
「行く!莉沙(りさ)は?」
「....ゴメン、ちょっと人探ししてくる。後で行くから私の分と、もう一席取っといて」




「アタシの目に狂いは無い」

パチパチパチパチ
ダンっと椅子に片足を上げ拳を突き上げ満足そうな女。その周りを囲う数人の女たちもその言葉に賛同の拍手を送る。

「「「さすがです、ミハル先輩!!」」」
「ふふふ、コレで盛り上がる事間違い無し!!!」
「「「はいっ!!」」」
「あ、あのぉ....」
「どうかした? 谷山さん」
「これは、一体....?」

訊ねる麻衣の服は着替えさせられ、ゆったりとした白いワンピース。
腰に巻かれた蔦のようなベルトが華奢な身体をより細く見せ、髪は一部をピンでまとめ、より大人っぽい雰囲気に仕上がっている。

「実はね、理事会と学生会が共同主催するミスコンがあるの。私たちが独断と偏見で選び抜いた5人の女の子の中から投票で今年のミスを決めるんだけど、候補の一人が急に体調不良で来られなくなってね、今すっごく困ってるの。で、是非! 谷山さん代わりに出て欲しいの!!」
「み、ミスコンに....私が?」

切実なのよ〜、と訴えるミハルに揃って頷く周囲のメンバー。引き攣った笑みで訊ねる麻衣に全員が満面の笑みを向けた。

「ミハル先輩!! チラシ完成しました!!」
「なっ! .....何、コレ」

待合室に飛び込んで来たのは女の子、どうやら彼女も主催メンバーらしい。彼女が手に持っていた物を見て麻衣は絶句した。
B5サイズのチラシ、しかもフルカラーの一面に載せられた自分の顔。しかも今さっきメイクしてる時に撮られたらしい写真。

「良いわ−!! もー、谷山さんってば可愛いー♪」
「み、ミハル先輩」
「なぁに?」
「まさか、コレ配るんですか?」
「完成品がここに有るって事は、もう配ってるんじゃぁないかしら?」

ミハルの視線を受けた後輩がにっこり笑って応えた。

「はい。校内10カ所にて配布中です」
「...ぃ....嫌ぁぁーっ!!!」




一方、その頃正門では....

「こんにちは、ミスコン見に来ませんか?」

そう言いながらチラシを配る女の子が数人。そのチラシを見た瞬間、会場の場所を訊ね走り去る者が続出した。
そのお陰で莉沙は目的の人物をいとも簡単に発見できた。

「こんにちは、お久し振りです」

にっこり笑いながら挨拶し差し出したチラシ。その時、莉沙はピシッという何かが凍るような音を、確かに聞いた。

「ご案内しますけど?」
「......お願いします」




「佳奈、亜由美、お待たせ〜」

莉沙の声に振り返った2人は、その隣に居た青年の容姿に絶句した。周囲にもざわめきが広がる。

「り、莉沙.....そ、その人、誰?」
「内緒♪」

呆然とした表情で訊ねる友人に満足したらしい莉沙は、意味ありげなウィンクを送ると隣の青年に席を勧めている。
彼の正体を教える気は無いようだ。

「皆様、ようこそお越し下さいました! 第35回ミスコンを開催致します!!」
「「「きゃーっ! ミハルせんぱ〜いっ!!」」」
「今回、私たちが選考に選考を重ねたミス候補をご紹介させて頂きます!尚、見事ミスに選ばれた女性には今日半日この会場に居る方なら誰とでもデートできる権利が与えられます。男性の皆さん!指名された場合は断れませんよ!!良いですね!?」
「「「うぉーーーっ!!!」」」
「では、エントリーNo.1番....」
「....ミハル先輩、絶好調だね」
「可愛い女の子を愛でるのが生き甲斐な人だもん」

小声で会話しながらも、チラチラと目線が莉沙の向こう側へ行ってしまう2人。

「渋谷さん、パンフレット見ます?」
「結構です。それより、先ほどの...」
「あぁ、半日デート権ですか? 大丈夫です、選ぶ権利は女の子に有りますから」

こちらの会話も小声な為。佳奈と亜由美には聞こえない。


「麻衣は最後だよね?」
「ミハル先輩指導の元、服から髪型まで全部コーディネートされてるらしいよ」
「あ、出て来た」
「くぅ〜っ! さすがミハル先輩!!」
「麻衣、可っ愛い〜!!!」
「....あの服は?」
「ミハル先輩....先ほどから司会をされてる方の見立てです」

ミス候補への質問も終わり、いよいよ投票へと移った。



NEXT >


拍手[1回]




「今回のミスコンの投票に参加される方は、100円硬貨をご用意下さい。これより回ります係の者が1から5の番号の書かれた入れ物を持っております。皆さんが、彼女こそミス! と思う方の番号の所に、その100円を入れて下さい。尚、そのお金は候補者への御礼とさせて頂きます。では、投票開始!!」

「で、莉沙!」
「その人、誰?」
「渋谷さん。安原さんのお知り合い、ですよね。で、こっちは」
「ふ、藤山 亜由美です」
「斉藤 佳奈です」

集計中、再び訊ると返ってきたのは何とも微妙な答え。
何だその曖昧な紹介は? とは思いつつ莉沙の視線を受け慌てて名乗る2人。

「.....渋谷です」

会話が終わった......微妙な沈黙を破ったのは実にテンションの高い声。


「お待たせ致しましたーっ!集計結果がでましたー!!発表の前にもう一度簡単にご紹介致しましょう。エントリーNo.1番スタイル抜群!世の男性の視線を独り占めしそうな大人の女!!エントリーNo.2番、趣味は料理、お茶とお花を嗜む和風美人!!エントリーNo.3番、アメリカ人の父を持つ帰国子女、明るい笑顔と積極的な会話であなたを虜にします!!エントリーNo.4番、既に女流作家として活躍中、その知的で美しい瞳に吸い込まれそうです!!エントリーNo.5番亜麻色の髪と蜂蜜のような瞳、触れれば折れそうな華奢な身体があなたを惹き付けます!!」

再度紹介され一列に並んだミス候補に惜しみない拍手が送られる。

「では、第35回ミスコンの優勝者を発表致します!!総投票数 1227票、獲得票数 486票。エントリーNo.5番!谷山さん!おめでとうございます!!!」

ミハルの声と共に会場全体から歓声と拍手が鳴り響く。

「では谷山さん! 半日デートにどなたを誘われますか?」
「え?」
「半日デートです、誰でも良いですよー」
「.....えーっと」

マイクを向けられ困った様に笑う麻衣に会場から声が上がる。

「谷山さーん!俺なんかどー?」
「ずりぃーぞー、谷山さん俺とデートしませんかー?」
「僕も立候補しまーす!」
「谷山さん!!半日と言わず、ずっと付き合って下さいっ!!!」
「「きゃーっ」」
「おーっと、これは熱烈な告白が出ましたー!!どうされますか?」

思いも因らぬ所から出た告白に会場も司会もさらにヒートアップする。
但し、会場のとある一角は凍えそうなほど寒かった事は秘密だ。

「み、ミハル先輩....絶対デートしないといけないんですか〜?」
「もちろん♪ 心に秘めた愛を告白するも良し! なーんとなくで選んでも良し!!」

さぁ! と迫られた麻衣はパニック状態だ。ふぇぇぇー....だ、誰か助けて〜

「麻衣っ!!!」
「......莉沙?」

大声で叫んだ莉沙の声に会場が一気に静まった。その声に振り返った麻衣の視界に飛び込んだのは黒。

「ナル....」

呟いた麻衣の声は、マイクに拾われ全員の耳に届いた。シンっと静まり返ったままの会場にナルの声はよく通った。

「麻衣」

次の瞬間、ふわりと翻った白いワンピースの残像。舞台に設置された階段を駆け下り一直線にその胸に飛び込む。
きゅっと背中に腕を回し抱き着く麻衣。

「ナルぅ〜」
「説明、聞いてなかったんだろう」
「だ、だって、いきなり連れて来られて着替えさせられたんだもん!」
「馬鹿め」
「....ぅ〜、来てたんなら助けてよー」

ちなみに、この会話。超小声な為、周囲には聞こえていなかったりする。会場に居る人からすれば、ミスに選ばれた可愛い女の子が、これまた超カッコいい青年に脇目も振らず駆け寄って抱き着き、そのままイチャついてる様にしか見えない。

「助ける?」

呟いたナルは、一気に裸足で遁走したくなる程の笑みを浮かべた。
が、抱き着いたままの麻衣が腕を外すよりも先にナルが動く。左手を麻衣の背中に回し、細い腰を引寄せる。

「「「「「っ、きゃーーーーっ!!!!」」」」」

途端に上がる複数の悲鳴。ナルはそんな事を気にせず、逆の手で麻衣の左手を持ち上げ薬指にキスを贈る。

「「「「「 !!!!!!!!!!! 」」」」」

声にならない悲鳴が会場全体に溢れる。

「麻衣?」

全身を真っ赤に染めた麻衣のこめかみにも軽いキスを贈り、2人は会場を後にした。
真っ黒なスーツのナルと、真っ白なワンピースの麻衣が寄り添って歩く姿はまるで結婚式のようだったとは、麻衣の友人談だ。




end  



男女問わず愛想を振りまく為、実は結構モテる麻衣。
そんな麻衣を心配した莉沙は安原経由でナルを呼びつける暴挙に(笑) 
今回の事は新聞サークルやあたりがバッチリ写真を手に収めて後日記事を掲載した新聞を出すんです。
発行部数は歴代最高でしょうね☆
るいす様リクエストありがとうございました。
内容の変更もして頂き重ねて御礼申し上げます。             
遅くなりまして申し訳ありません。
最初に頂いた嫉妬するナルも加えてみました、お楽しみ頂けたなら幸いです。



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「んじゃ、私帰るかんね」

そう言って玄関に向かおうとしたハズなのに.....





ようやく論文が完成し、ずーっと書斎に篭りっぱなしだったナルが出て来た。

「お茶」

の一言を告げるとリビングのソファーに沈み込んだ。
そのままソファーの背凭れに頭を預け動かない。



「はぁぁ...」

お湯が沸くの待つ時間に、私がこんな風に溜め息を吐いてしまうのは仕方無いと思う。
仕事なのは判る、でも気を抜けば意識が朦朧とするまで身体を酷使するのは如何なものだろう。
食事のサポートの為に、ここ数日はナルのマンションに通う羽目になってしまった。
別にそれ自体が嫌な訳ではないが....と、お湯が沸いた。
リラックス出来るようにと選んだのはカモミールが入った紅茶。
じっくり抽出したそれをカップに注ぎ、残りをもうひとつのポットに入れる。
これでお代わりも確保だ。


紅茶を手にリビングに戻れば、気配に気付いたナルが目を開ける。
差し出したカップを受け取るとゆっくり口に運ぶ。

「ふぅ.....」

半分ほど飲んだところで溜め息が聞こえた。ようやく肩から力が抜けた様だ。

「お疲れ。こっちにお代わりあるからね」
「....麻衣の分じゃないのか?」
「うん。もう帰んないと」
「.....」
「今日は無理だろうから明日、ちゃんとご飯食べてよね」
「.....」
「もー!返事くらいしてよ。んじゃ、私帰るかんね。朝、昼用のご飯冷蔵庫に入れてあるから、どっちかだけでも良いから食べてね」

そう念を押し、カバンを持って玄関に足を一歩進めた。



「.....」

おかしい。
ついさっきまで私の目には廊下へ続くドアが映っていた。しかし今、視界に入っているのはリビングの天井。

「.....ナル?」

とりあえず原因を作った人物の名を呼んでみるが返事は無い。
ってゆーか、この体勢、私の背中がナルの脚に乗っかってるんじゃぁ無いでしょうか?
天井に向いていた視線を少しずらせば眉を顰めたナルの顔。


「...な、に?」
「なぜ帰る?」
「へ? ....だってもう終電だし」

私の答えが気に入らなかったらしく眉間の皺が深くなった。

「ね、放して」
「...断る」
「や、放してくんないと帰れないし」

身体を起こしソファーに座ったは良いが、手首をナルに掴まれたままなので動けない。

「ねー、ナルー」
「煩い.....僕は寝る」
「じゃー、は.....」

放して、と続くはずだった言葉は音になる事は無かった。

ソファーに座る自分の脚の上には温かな重み。
聞こえる呼吸も、疲れているはずの表情も実に穏やかで何も言えなかった。
掴まれていた手は解放され、代わりに軽く絡められた指。


「しょーが無い。麻衣ちゃんの膝は高っいぞー♪」


明日、代わりに何を要求しようか考えながら麻衣も眠りに落ちた。




end



「四季折々の小道」様との相互リンク記念に、管理人さまに捧げます♪
麒麟さま、ありがとうございましたー♪     
「帰るな」の一言がどうしても言えない博士様は実力行使に出ました(笑)
お気に召して頂けたなら幸いです。これからもよろしくお願いします!!!


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「ダメだってば、ナル」
「何がダメなんだ?」
「ち、ちょっと!」
「何だ?」
「....んっ」

そんな声が聞こえて俺は固まった。




今回、調査に訪れたのは長野県のとある別荘地。
え、何? 軽井沢じゃないのかって? そこは言ってるだろ、とある別荘地。
心霊現象が起こるなんて大打撃だからな、大人の事情ってやつだ察してくれ。
そんな事はさて置き、何だその甘ったるい会話は!! 仮眠用に与えられた部屋は確かに、少しベースからは離れている。
だが、しかし! 誰も来ない訳じゃぁない。現に今、部屋の前に俺が居る。
霊現象は起こるものの、情報が少な過ぎて少年が戻るのを待っている状態だったのだ。
その間、ナルには仮眠を取るようリンが進言し、麻衣が笑顔で部屋に引き摺って行った。
しかし、待てど暮らせど麻衣は帰って来ない。だんだん不安になって来た頃、少年が帰って来たのだ。
そして事の次第を聞いた少年の感想はこうだった。

「一緒に寝ちゃったんじゃないですか?」

麻衣! そんな娘に育てた覚えは無い、パパは悲しいぞー。そしてナル! 今は調査中だぞ、何考えてるんだ!
否々そこじゃないだろ、俺! 可愛い俺の娘に手を出すんじゃぁない!!そんな風に憤慨する俺には構わず会話は進んでいる。

「少しなら問題無い」
「あ、有るに決まってるでしょ!」

そうだ麻衣、もっと言ってやれ! その馬鹿に今、調査中だという事を思い出させてやれ。

「煩い」
「きゃっ!」

娘の軽い悲鳴と共に、ドサリという音が聞こえた。
.......ま、まさか。ナル.....お前、押し倒したんじゃぁないだろうな?


「あ!バカ!!」
「もう黙れ」
「っナル」


麻衣ーーーーっ!! もう無理だった。少し引き返した廊下を、わざとドタドタと足音を立てて進む。
そして部屋の前に立つとノックし、一気に扉を開けた。

「ナルっ!」

バタンっ! と大きな音を立てて開いたドアの向こうには、壁に凭れて座り込んだナルとその横からナルの膝に身体を乗り出した麻衣が居た。....あれ? 想像してた体勢とちょっと違う。

「ぼーさん?」

可愛い娘が小首を傾け俺を呼ぶ。

「な、何やってんだ?」
「そーだった! ぼーさんも止めてよ〜。ナルってば、サイコメトリしようとするんだよ!」

ぷっくり頬を膨らませ怒る麻衣。よく見ればナルの腕を掴んでいる。
そのナルの手には......あれ、被害者の遺品じゃねーか。

「....ナル坊、お前」
「何か用があったんじゃないのか?」

俺と麻衣の視線をあえて無視しそんな事を訊ねるナル。憮然とした声の響きから一応はサイコメトリを思い留まったらしい。

「少年が戻ったぞ」

そう伝えれば麻衣の顔に笑みが浮かぶ。

「じゃぁ、もう見る必要ないよね?」
「どいて頂けますか? 谷山さん」
「視ないよね?」
「......はぁ」

諦めたような溜め息は了承の合図。

「今は視ない」

その返答に眉根を寄せた麻衣。“今は” という部分に引っ掛ったのだろう。
しかし次の瞬間にっこり笑ったかと思えば、ナルの手の中にあった遺品を奪い取った。
そして間髪入れずそれを俺に投げた。

「ぼーさん、逃げて! で、それリンさんに預けといて」
「りょーかい」

確信犯な笑みを浮かべて笑う俺たちにナルの恨みがましい視線が向けられる。

「早く来いよ」

それだけ言うと俺は踵を返した。奴が戻って来る前にこれをリンに渡しておかねば。






<おまけ♪>


「麻衣」

なんて事してくれたんだと言う目で麻衣を見る。
滝川がアレをリンに渡せば、僕がサイコメトリしようとした事は確実にバレるだろう。

「ふふ。リンさんだってナルが心配だから怒るんだよ」
「はぁ...」
「ねぇ、ナル?」

囁くような声で名を呼ぶ麻衣に、視線で先を促す。

「約束しようか? あたしが居ない所でサイコメトリしないって」
「何だそれは?」
「あたしが居たら必要ない時は止められるし何かあったら誰かを呼ぶ事も出来る。嫌だよ、あたし。倒れてるナル見るの」
「麻衣」

少し泣きそうな声は反則だと思う。
頬に手を伸ばせば擦り寄ってくる麻衣。見上げる瞳が心配だと雄弁に語っている。

「なるべく、しない」
「それだけ?」
「どうしても視る時は、隣りに居ろ」
「偉そーだぞー」
「実際、偉いからな」
「うわっ、自分で言うし........約束ね」
「あぁ」

頷いた僕に笑った麻衣は、頬に触れたままの僕の手を取る。そしてゆっくりと手の平に口付けを落とす。

「約束だよ」
「.....あぁ」

もう一度、念を押すように囁かれた言葉に頷くと、僕は麻衣に顔を寄せた。



end 



刃月さま、本当にありがとうございました。
<ナル麻衣、甘々、第三者視点> との事でしたので、ぼーさん視点にしてみました♪
おまけ♪ は、ナル視点です。返品OKです。では、失礼しましたー☆


拍手[5回]




「ナール♪」
「.....」
「ナルってばぁ〜♪」
「.....」
「ナール、ナール、ナール、ナール、ナール、ナール、ナール」
「煩い」
「もう! 聞こえてるなら返事くらいしてよね」
「邪魔をするなら出て行け」
「ひっどーい! 折角、優しいお兄ちゃんが、暑さにやられてバテ気味な可愛い弟の為に良いものもらって来たのにぃ〜」
「.....くっ付くな、暑い!」
「うん。暑いよね? じゃ、行こっか♪」
「は?」







なぜこんな事に.....
今のナルの心境を表すなら、そのひと言に尽きるだろう。
空調の管理された室内は確かに涼しい。
長椅子に座り本を読む事は承諾させたので、聞こえる水音は気にしなければ特に問題無い。
だが、しかし、何故こんな恰好をしなければならないんだ。


ここは会員制の室内プール。
ジーンの数いる “友人” の内の1人からチケットをもらったらしい。
「僕はプールには入らない」
「うん。僕も一緒に入ってくれるとは思ってなかったから、そこは僕が折れるよ」

ニコニコニコニコニコニコ

「....そこ、は?」
「うん。プールサイドの椅子に座って本読んでても良いから、コレ着てね♪」
満面の笑みを絶やす事なく告げるジーンの言葉。
そして提示されたのは.....


「.....」
「似合うじゃん、ナル」
「.....」
無言でジーンを睨み付けるナルが着ているのは、もちろん水着。
黒を基調とした膝上のズボン型のもので、ポケットや裾、サイドに、ジーンは緑、ナルは青のアクセントラインが入っている。
そして共に素肌にパーカーを羽織っている。ちなみに、ジーンは水色でナルは白だったりする。
「僕だってひとりで泳ぐの寂しいんだから、恰好くらい同じにしてくれても良いでしょ!」
「.....はぁ」
諦めたように溜め息を吐いたナルに、嬉しそうな笑みを浮かべたジーン。
「ありがと、ナル♪」
そう言うとジーンは素早く、ナルの頬に “ちゅっ” とキスをしてプールへと逃げ込んだ。
「....ジーン」
一瞬ピシッと固まったナルが呟いた声は実に低かったとか....



この零現象の考察としては、□□□□□□□によって説明が付き.....
「......ない?」
しかし、不透明な部分が多く△△△△△△△△に置いては更なる経過を見る必要がある。
「ふぅ」
持って来た本を読み終え、息を吐き出す。
「凄い集中力ね?」
「?」
突如、聞こえたのは知らない女の声。面倒な。
顔を上げればやはり、女が1人。
「ふふ。さっき声掛けたんだけど、ちっとも気付いてくれないんだもの」
「それは失礼。僕に何か?」
「やっぱり、良い声。顔と同じ」
「.....ありきたりな褒め言葉をどうも。用が無いなら失礼します」
「くすくす。あら? 振られちゃったわ」
側で見ている方が凍りそうな言葉を女に浴びせるナル。
対する女は、気にする事なく微笑んでいる。かなり大物かもしれない。
何だ? この女は.....

(....っ....る!)

!!?
微かに聞こえた “声” にナルの思考は中断された。
(ジーン?)
(...な...るっ!)
(どうした! ジーン?)
呼び掛けると今度は、はっきりと自分を呼ぶ “声” が聞こえた。
ナルがプールに視線を走らせる。
(どこだ?)
「どうかしたの?」
急に黙り込みプールに視線を走らせたナルに女が不思議そうに訊ねるが、ナルには聞こえていない。
そして、次の瞬間ナルはプールに向かって走り出した。
パーカーを脱ぎ捨て水の中に飛び込むナル。
バシャバシャと水を掻き分けて進む先には、沈み込む寸前のジーンが居た。
(ジーン!!)
(ナルっ!)
(馬鹿かっ! 何をしている!!)
(ご、ごめ....足、吊った)
そんな会話を繰り広げつつ、ジーンの腕を掴み一気に引上げるナル。
そしてジーンを抱えて泳ぐと、飛び込んだ方とは反対側のプールサイドに上がる。
「げほっげほっげほっ....」
苦しそうに水を吐くジーン。
そして水の滴り落ちる髪を煩わしそうにかき上げながら、ナルはジーンにバレぬ様、安堵の溜め息を吐いた。

「僕は帰る」
「えー!!」
ジーンの非難の声は無視し、ナルは元居た場所に投げ出された本とパーカーを拾い、更衣室へと向かった。







「振られたわね」
クスクスと笑いながら近づいて来たのは、先程ナルに話し掛けていた女。
「やぁ、リリィ。チケットありがとう」
「役に立ったなら良かったわ。それに、ジーンが自慢するオリヴァーも見れたし」
「可愛いでしょ」
「えぇ。とっても」
にっこりと微笑み合う2人はとっても美しい。
美しいが、何やら笑みが黒く見えるのは気の所為だと思いたい。
「今日は私と遊んでくれるのかしら?」
「うん? 今日はダメ♪ ナルの隣りに潜り込むんだ♪」
「オリヴァーが相手なら仕方無いわね。じゃぁ、またね?」
「うん。またね」
にっこり微笑んだジーンは、ナルの後を追うため更衣室へ向かった。


end  



頂いた素敵ナルのイラストの御礼になるかどうかは別としてアリズミさんに捧げます!
双子ー♪ 12歳の夏でお願いします。
それっぽく見えなくも無いような見えないような(笑)


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「どうしようか?」
「......」
「悩むなぁ〜」
「...本人に聞けば良いんじゃないか」
「ダメ!! 内緒にしててビックリさせるんだから!」
「......」
「ナルは何がいいと思う?」
「......」
「万年筆、時計、ネクタイ、シャツ.......ありきたりだよね」
「時計なんて無理だろう、そんな金がどこにあるんだ」
「もう! そんな事言うんだったら、ナルが考えてよ!!」
「無理に決まってるだろう」
「......そんな自信たっぷりに言わないでよ」


がっくりと項垂れたジーンは側にあった休憩用の椅子に腰を降ろした。
2人が訪れているのは大型のショッピングセンター。
間近に迫った6月の第三日曜日....そう、父の日の贈り物を買うためにやって来たのだ。
しかし、悩み始めて数時間。文房具屋、時計屋、紳士服売り場、父の日特設スペースなど、散々回ったのにまだ決まらないのだ。理由ば簡単、マーティンならば何でも喜んでくれるだろうが、どうせ贈るなら一番喜んでくれるものを、と考えるのだが浮かばない。
それも仕方ない事だろう。これは双子にとって初めてのプレゼント選びなのだから。
先月の母の日は、その存在を知らずに過ぎてしまったのだ。
よって、父の日に母の日のプレゼントも一緒に贈ろうと心に決めている。
ちなみに、ルエラへのプレゼントも未定だったりする。

「うぅぅ、どーしよう? まだルエラへのプレゼントも決まってないのに....」
「母の日は、花を贈る事が多いと聞いたが?」
「....ありきたりだけど、ルエラは花が好きだしね。父の日はネクタイが多いって言うよね?」
「考え過ぎて変な物を贈るよりば良いんじゃないか?」
「う......そうだね。じゃぁ、紳士服売り場と花屋に行こうか」
「あぁ」




「ただいま」
「お帰りなさい。あら? オリヴァーだけ?」
「ジーンはあとから帰ってくる」
「そう。じゃ、先にお茶にしましょうか?」

リビングのソファーに座ったナルとその向かいに笑顔で座るルエラ。
テーブルにはルエラお手製のお菓子と紅茶。

「今日は2人でどこへ行っていたの?」
「図書館に」
「ジーンも?」
「30分だけ、あとは何か色々連れまわされた」
「あらあら、楽しかった?」
「...疲れた」

本気で疲れたらしいナルの実感の篭った言葉にルエラは笑う。

「たっだいまーーーっ!!」
「お帰りなさい、ジーン」
「ただいま、ルエラ。僕のお菓子は?」
「はいはい、ちゃんと有りますよ」

くすくすと更に笑みを深めたルエラはジーンのお菓子と紅茶を取りにキッチンへ向かった。

「首尾は?」
「上々! ナルの部屋のクローゼットに入れたからね」
「?」
「なぜって? だって僕の部屋はルエラが入っちゃうかもしれないじゃない」
「悪知恵だけは働くんだな」
「.....ナル、僕泣いちゃいそう」




「ルエラ、マーティン。ちょっと良い?」
「どうかしたのかい、ツインズ?」

あの後、マーティンも帰宅し、家族揃って食事を取り一息付いた所でジーンが両親に声を掛ける。
マーティンが不思議そうに訊ねるのは、ジーンはともかく、いつもなら自室に引上げている
ナルがまだリビングに居るからだろう。

「えーっと、その....」

言い難そうに視線をズラすジーン。指でおデコを掻きつつ、“あー” とか “うー” と言っている。
見かねたナルが溜め息を吐きつつ、両親の為に用意したプレゼントを差し出す。

「...これを」
「.......私たちに?」
「こっちはルエラ、この箱はマーティン」
「その.....父の日と、過ぎちゃったけど母の日のプレゼント、なんだけど」
「まぁ! 」

息子たちからの突然のプレゼントに2人はとても驚いた。
先方引き取って養子に迎え入れた2人の息子は、とっても可愛いらしく、愛すべき存在である。
彼らは産まれてから置かれていた環境の所為で守られる事を良しとはしてくれなかった。
彼らが自分たちに何かをしたいと思う程に懐いてくれるのは、まだまだ先の事だと思っていたのだ。
しかし無表情なものの、どこか不安そうに差し出す息子と、頬を染めて照れながら反応を窺う息子。
そして何より手元に渡されたプレゼントが、ルエラとマーティンの心を温かくする。

「キレイなお花ね。良い香り....2人ともありがとう」
「私のは、何かな? ....開けても、良いかい?」
「えへへ。うん、もちろんだよ!」

ガサガサと、とても丁寧にラッピングを剥がしていくマーティン。
おそらくこの箱もリボンも、ラッピング用紙も大事に取っておくつもりなのだろう。

「あら、ネクタイね。ふふ、マーティン付けてみたら?」

箱を覗き込んだルエラの言葉に頷き、マーティンはいそいそとネクタイを付ける。
いつも笑顔だが、今日は一段と顔が緩んでいる気がする。

「どうかな? 似合うかい?」
「えぇ! とっても素敵だわ、マーティン!!」

「あぁ、本当にありがとう、ツインズ。こんなに嬉しい事は初めてだよ」
「本当に....ありがとう。ユージン、オリヴァー」

両親の言葉に顔を見合わせたナルとジーンは、ほっと息を吐く。
どうやら2人の贈り物は気に入ってもらえたようだ。
視線を戻せばやはり嬉しそうに笑ってくれている両親の姿がある。
その事にジーンは笑う。

「マーティン、ルエラ。僕たちを家族に迎えてくれてありがとう」
「........ありがとう」





end  


どうやら最近、双子話に目覚めららしい朽葉です。
双子、初めて両親にプレゼントを贈った日の出来事でしたー。  
既に父の日を●日オーバー.....
だって思い付いたの 22日だもん(今年のちちの日は 21日/笑) 
ー 父の日記念フリー小説 ー
フリー期間は(2009年6月30日を保ちまして)終了致しました。
今のお持ち帰りは禁止です。ご了承下さいませ。


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「なぜ僕がこんな所で風呂に入らなければならないんだ」
「まーまー、裸の付き合いってヤツしよーぜ、ナル」
「滝川さんお一人でどうぞ」

笑顔の滝川を思いっきり睨み付けてナルは本を手に踵を返した。

「あらら、振られちゃいましたねー、滝川さん」
「まざ、ヤツが入るとは思ってなかったけどさー」
「ここまで来ただけでも大進歩じゃない?」
「そーだねぇ。あ、ちょっとナルんとこ行って来んねー」

安原の言葉に苦笑を返す滝川と、ちょっと関心したような綾子の言葉に同意を示した麻衣は何かに思い至ったらしく、ナルの後を追った。

「先行っとくぞー。おい、リンさんどこ行く気だ?」

娘を笑顔で見送った滝川は、無言でこっそり逃げようとしたリンを捕えた。
忘れてて欲しかった。
リンは心の中で実に切実にそう思った。

「僕、銭湯っちゅーんは初めてで、どないしたらええもんか?」
「ジョン、漢字は読めるか?」
「簡単なもんでしたら」
「正面の、のれんの文字は?」
「おんな....う〜ん、何でっしゃろか?」
「あれは女湯って読むんだ。俺たちはその横の男湯なぁ〜」
「はいデス」
「アタシたちは麻衣が戻ったら入るわ」
「待ち合わせは1時間後で良いか?」
「ここお風呂の種類多いらしいのよ」
「へー、じゃぁ時間足りないな。1時間半にするか?」
「えぇ、そうしましょう」



「まず入って直ぐの番台で入浴料を払う。今日はシャンプーとか石鹸、あとタオルとかも持って来てないから
 それも買うの忘れんなよー」
「はいデス」

滝川の説明にジョンはメモを取らんばかりに真剣に頷く。

「ここが脱衣所、あっちのガラス戸の向こうが浴室な。脱いだ服はこの鍵付きのロッカーに放り込む。鍵はゴムが付いてるからこれを腕にかけとくんだ。って事で、風呂入っぞー! あ、ちゃんと掛け湯してから入れよ!!」

そう言うと滝川は一気に服を脱ぎ捨て浴室へと入って行った。
どうやら無類の銭湯好きらしい。





チャポンと雫の落ちる音がする。
ここは女湯。
身体を洗い終わった女性陣、3人が湯船に浸かっていた。

「あー、気持ちいいーー」
「あんたちょっとオヤジ臭いわよ」
「良いじゃん、別にー」
「でも大きいお風呂は気持ちが良いですわ」
「まぁね」
「....綾子って良いスタイルしてるよねー」
「確かに、あんなに好き勝手食べてらっしゃるのに」
「見えないとこでの努力の賜物よ。あんたたちも若いからって手入れ怠るんじゃないわよ」
「手入れって言ったって....」
「胸のマッサージ教えてあげましょうか? 合えば1サイズアップするわよ」
「「ホント(ですの)!?」」
「あら、2人とも気にしてるの?」
「う...そりゃぁ、一応」
「な、無いよりは、とは思いますわ」

視線をずらし、頬を染めながらぼそぼそと言葉を返す妹分2人は実に可愛い。

「ふーん。でも、ナルって胸の大きさなんて気にするの?」
「げふげふっ!!い、いきなり何を言うかーーっ!!!」
「ちょっと、叫ばないでよ恥ずかしい」
「誰の所為だ!誰のー!!」
「ごめんごめん。でも、あーゆー仕事馬鹿ほどムッツリだったりするんだから」
「む、むっつり.......アーヤーコー!!ついでに笑うな真砂子ーーっ!!!」
「ご、ごめんあそばせ。だ、だって、ナルがむっつり.....ふふ」

バシャバシャと激しく水音をたてて抗議する麻衣の顔は赤い。
真砂子は肩を振るわせて笑っている。そして綾子は意地悪そうに唇の端を持ち上げて笑う。

「でも、お姉ーさんは気になるわけよー。んで、どうなの麻衣?」
「...っ...し、知らない!!」
「知らないって言ったって、エッチはするんでしょ? だったら触るでしょ胸」
「松崎さん、不躾ですわよ」
「さ、触....////」
「小さいな、とか言われた事あるの?」
「そ、それは無いけど....」
「へー、ちょっと見せてごらんなさいよ」
「へ?き、ぎゃぁっ!ど、どこ触ってんの!!」
「あら? 結構あるじゃない。C...腰が華奢だから D かもしれないわね」
「麻衣、ちょっと羨ましいですわ」
「そういう真砂子は?」
「え? ち、ちょっと松崎さん!!きゃっ!!」
「ふふん。B ってとこかしらねー」
「い、いきなり何をなさるんですの!!」




「........あいつらには、恥じらいってもんが無いのか」
「き、聞こえてはるとは思ってはらへんのやと.../////」
「いやー、大胆ですねぇ。女同士の秘密の会話ってやつは」
「........」

引き攣った顔で呟く滝川に、ジョンは頬を赤く染めつつフォローする。
安原は、あはははーと笑いつつも脳内にしっかりとメモを取っている事だろう。
賢明にもリンは沈黙を守り通す....関わりたくないだけかもしれないが(笑)

「っつーか、今さー俺、ナルが入ってなくて良かったと心の底から思ったぜ」
「「「..........」」」



end  



<おまけ>

「ナルはどこに居るの?」
「あっちの休憩室に.......」

ウィーン ガコッ ウィーン ガコッ ウィーン ガコッ ウィーン ガコッ 
規則正しい機械音
お爺ちゃん、お婆ちゃんに混じって麗しい一人の青年がマッサージチェアーに座っている。





end  



美桜子さん遅くなりましたー。
「もしも悪霊メンバーが銭湯に来たら」という事で全員出してみましたが
会話ばっかりになっちゃって何か微妙な話に....すみません。
おまけ、その後としては「麻衣、銭湯に行くのか? ......
送ってやろう」とか言って、いそいそと車のキーを準備するナルが居たとか(爆笑)
そして美桜子さんがこのお話に素敵なイラストを付けて下さいました♪
<マッサージナル>



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<リクエスト内容>
ギャグっぽく、バカップルなナル麻衣
ぼーさん含めイレギュラーズ&レギュラーズも呆れて物が云えない
砂を吐く、でもやけ酒飲む、でもいい(笑)





「ど? 美味しい?」
「マズくはない」

ざわざわとした人の声とカチャカチャという食器の音がする店内。
なーぜか、たまたま平日のお昼にイレギュラーズ全員が顔を出したSPR事務所。
これは珍しいと、所長殿を丸め込みランチへと繰り出した一行。
ここはやはりお手軽にパスタあたりが良いだろうと入ったのはちょっとシャレた店。
平日来るには少しお高いその店には、ランチどきだが半分ほど椅子が空いている。
その一画を、8人という大所帯て占領した彼らは何というかやはり目立つ。


「うわぁ、パスタが1800円とか有り得ない...」

メニューを見ながら眉を寄せるのは麻衣。主婦感覚が染み付いた彼女には信じられない金額なのだろう。

「まーいー、お父さんが奢っちゃるから悲しい事言うのは、やめなさ〜い」
「え?ホント、ぼーさん!?」
「太っ腹てすねぇ、お父さん。ご馳走様です」
「野郎は実費」
「ノリオってば、アタシの事は遊びだったのねーーっ!?ヒトデナシー」

よよよ、と泣き崩れる真似をする安原に笑いが起こる。


「で? どれにするのか選んだか?」
「んー、たっぷり夏野菜のヘルシーパスタとキノコと九条ネギの冷製スープバスタ」
「ふ、2つ食うのか?」
「まっさかー、1つはナルのに決まってんじゃん」
「勝手に注文して良いのか?」
「最近パスタは食べてないから被る事もないし、来てから一度もメニュー見てない奴が何か頼むとも思えない」
「.....それは確かにそうね」

きっぱり言い切った麻衣の言葉に一度ナルに視線を送った一同。
こちらの会話に全く興味を持たず本を読み耽る姿に、確かにと納得した。

「うーん、水菜のサラダも頼もうかなぁ....ナル食べる?」
「.....別に」
「ん?大根サラダにしようか?」
「.......任せる」
「どーしよっかなぁ♪」
「「「.......」」」

片や分厚い本から視線を上げる事なく、片やメニューを見ながらの会話。
一応2人はコイビト同士。

「どーよ、あれ?」
「ひと言とはいえ、ナルが返事してるんだから良いんじゃないの?」
「麻衣さんの言葉にダケは反応しはりますねぇ」
「家でもあんな感じなんですかねー?」
「麻衣.....何が良いんだ、奴の」
「「「顔」」」
「あは...ははは..」

返された一糸乱れぬ答えに滝川は撃沈し、ジョンでさえ笑うしかなかった。




「お待たせ致しました〜」

次々と運ばれて来たパスタに食欲をそそられる。
各々が自分の食事に手を付けた所でそれは開始された。

「う〜ん♪ 高いだけあって美味しーい」
「アンタね、そういう事は言わないの」
「だってぇ〜。あ、ナルはどれ食べる? サラダ? パスタ?」
「.......サラダ」
「サラダね........はい、あ〜ん」

「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」

「美味しい?」
「不味くはない」
「もー、そんな言い方して....パスタは?」
「......食べる」

「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」

唖然とした一同は、それを目にした瞬間から固まったまま動かない。

何だアレは?幻覚か?と滝川は現実逃避し
いけませんね、白昼夢を見るとは....どうやら僕、疲れているようです。と安原は眼鏡を外し目頭を押さえ
最近暑かったものね....と綾子はどこか遠くを見つめ
あたくし働き過ぎかしら? と真砂子はスケジュール調整を頭に描いた。
そして、リンとジョンは見なかった事に決め込んだらしく静かにフォークを口元に運ぶ。
全員が意識的に逸らした視界の向こうでは、ナルの視線は本に固定されたままだが
麻衣がフォークを運べばちゃんと横を向き口を開く。
結局、料理が無くなるなで、バカップルよろしく「あ〜ん」を繰り返す2人の姿があった。








「うぅ....ぅうっ........」
「まぁ、良かったんじゃない?」

深夜。
某居酒屋にて大量の酒を煽るように飲み干し嘆きに暮れる自称父親。
視線をやや逸らしつつも宥めるのは綾子。
彼女も今日の昼の衝撃からまだ完全に立直れていないのだ。
もう一人の保護者は嘆きはしないが酒を煽り、溜め息の連続である。
いち早く立直った某越後屋だけが酒を、と言うよりは保護者たちの様子を愉しんでいる。

「いやぁ、今日は凄いもの見ちゃいましたね〜」
「アンタ何でそんな笑ってられるのよ」
「確かに最初はびっくりしましたけど微笑ましかったじゃないですか」
「.......それ、本気で言ってるの?」
「僕はいつだって本気ですよ、松崎さん」

にこにこにこにこ
一見爽やかな笑みだがこれに騙されてはいけない。
が、あっちの相手を延々しているよりはマシな気がする。
「はぁ」と溜め息を吐いた綾子は背後の保護者もどきを頭から排除し酒を楽しむ事にした。

「でもアレは恋人同士というより、雛鳥に餌をあげている親鳥に見えなかった?」
「まぁ....所長ですしね」



end  


刃月さん、遅くなってゴメンなさーい☆
でも愛は沢山篭めたのでもらってやって下さいませーーーーvv


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「そ、そんなつもりじゃ...」

薄暗い部屋の中、間近に迫った影に慌てて後ずさるのはまだ若い女。
片や壁際に女を追い詰めた男は、そんな事を許すほど甘くも優しくもない。

「観念しろ」

低く囁かれた声は酷く甘美で女の身体を揺さぶる。

「っ、な.....る」
「...麻衣」

潤んだ瞳で見上げながら自分の名前を読んでくる麻衣にナルは手を伸ばす。
ピクリと震える身体に言い様のない感情が沸き上がる。
顎に手を添え持ち上げた顔に浮かぶは羞恥と期待....そして僅かな怯え。
その事が面白くなく、その身体を強く壁に押さえ付けた。
言葉を紡ごうとする唇を塞ぎ音を奪う。

ふ...っ......ぅ...

途切れ途切れに上がる声により一層深く口内をを侵す。
昔、無理矢理見せられた醜い感情に似た思いを、まさか自分が持つ事になろうとは思わなかった。






事の起こりは昼の事務所。
いつもの如く訪れた松崎綾子の持ち込んだモノの所為....

「麻衣、あんたナルと一緒に住んでたわよね?」
「へ? 」
「これあげるわ♪」

麻衣の淹れた紅茶を飲み、事務所の効き過ぎた冷房で涼んだ綾子。
「あ、そうだ」と呟くと持って来た包みを麻衣に向かって放り投げた。
新々気鋭の博士様お墨付きの麻衣の第六感が、コレハキケンダ と告げている。

「コレ....何?」
「家に帰ったら開けてもいいわ」
「.........」
「ナル、使い方は麻衣に聞きなさいね」
「?」

突然話題を振られたナルが首を傾げる中、綾子は満足そうに微笑み去って行った。

「何だったんだろう....」
「さぁ? それは何だ?」
「..........なんだろうね?」





手の中の包みが気にはなったが、律儀な麻衣はちゃんと家に帰るまでは開けなかった。
資料の整理が大変で忘れてたとも言う。
食事もお風呂も終え、あとは寝るだけという時にその存在を思い出した麻衣。
早速、中身を見てみようと包みを手に取った。
ちなみにナルは書斎にお篭り中なのできっと数時間は出て来ない。

「何かな〜♪ .......ん?」

ガサガサと包みを開けば、出て来たのは枕だった。
淡いピンクとブルーの枕......
麻衣は自分の頬が ヒクっと頬が引き攣ったのが判った。

「何だそれは?」
「ナナナナナ、ナル!!? 何で? 本は!?」

背後から聞こえた低い声に麻衣は飛び上がった。

「読み終わった。で、それは?」
「あー....っと.....その〜、綾子がね」
「あぁ。使い方は麻衣に訊けと言っていたものか。で、どうやって使うんだ?」

麻衣は心の中で綾子を盛大に罵った。
なんてモノをくれたんだ!!

「いや、あの....ねぇ?」

何とか誤摩化したい。誤摩化したいが.......
誰もが見惚れる笑みを浮かべたナルに顔を覗き込まれ、麻衣はようやく観念した。





<おまけ>


「ち....ちょっ、と!!」
「何だ?」
「こ、この体勢は....////」
「ご自分の発言には責任を持たれるべきかと」
「?」

何の事だか判らない様子の麻衣にナルは意地の悪い笑みを浮かべた。
無論、麻衣が恥ずかしがっている体勢のまま。

「僕は訊いたんだ。“YES or NO?” と....」
「し、知ってるよ! だから、あ、あたしは “NO” って!」
「否、僕にはそうは見えなかったが?」
「は!? 何でよ!! YES NO 枕の裏が “NO” だもん!!」
「あぁ。その向きで出せば “NO” だな」
「........向き?」
「さっき、麻衣は......上下が逆だった」
「逆.......」

首を傾げ枕を眺める麻衣の目の前で、ナルはぐるっと枕を逆さまにする。

「 “NO” を逆さまにすると “ON” .....ほら、麻衣は僕の上に乗りたいんだろう?」
「なっ! な、な、な、な、な、な、な、な.............」

顔を真っ赤にさせてただ一音を叫び続ける麻衣。

「ご理解頂けたようで?」
「い、いや!! 何て言うか! その......あは、あははは」
「そんな誘われ方をするとは、さすがの僕でも予想できなかったな」

何とか逃げ出したい麻衣だが目の前の “コイビト” が許してくれるハズもない。
そもそも、まだナルの脚を跨ぐ様に座らされた上に、腰をガッチリと抱え込まれているのだから逃げるどころか動く事もままならないのだが....
他人に触れる事を厭うナルが自ら触れようとしてくれるのは嬉しい。
べ、別に...その、スルのが嫌...なんて事も絶対に無い。
無いんだけど.....
恥ずかしいモノな恥ずかしいのだ!!

「うぅぅ〜ぅ/////」

そっと窺ううようにナルの顔を覗けば、右手で首筋から肩のラインを撫でられ、逆の手で太腿を撫で上げられる。
ピクリと身体は正直に反応してしまう。

「麻衣?」


あなたが私の名前を呼ぶ.......それがきっと最後通告。
この体勢は非常に...本当に顔から火が出るほど恥ずかしいけれど。
逃げられる訳が無い。


だって私は.......


今度こそ抵抗を諦めた麻衣はナルの首に両手を巻き付けた。



end



りんさん、遅くなってすみませんでしたー(土下座)
チャットで「YES NO 枕 NOは向き間違うとON」の発言に則って書かせて頂きました。
エロは中途半端だし、ナルはアレだし、体勢は......何も言うまい。
この様な品になりましたが、どうかお納め下さいませ。
朽葉


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