*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「そんなに美形の所長さんなの?」
「顔だけは本当に良いんですよ!その分性格はアレですけど」
「でも今まで解決できなかった事例がないって事は優秀なんだろうな」
「直葵さん!それ良い様に言い過ぎです!アレは仕事バカとか仕事の鬼って言うんです!!」
「あら、じゃあお兄様と良い勝負なんじゃないかしら」
「え!?直葵さんも!?」
「私はそんなに仕事仕事と詰め込んでは居ないと思うのだけれど……」
「いいえ。根を詰めて書類を読んでいた所為で、食事を取り忘れる事なんて日常茶飯事でしょ」
「ダメですよ直葵さん!どんなにお仕事できても身体壊しちゃったら終りですよ!」
「そうよね、麻衣さん!もっと言ってやって頂戴」
「参ったな………」
丸いテーブルを囲んで和気あいあいと会話を弾ませる三人に、滝川は困っていた。先ほど別れた時よりも段違いに依頼主と娘の距離が縮まっている気がする………。
どうしようかと頬を掻いた所で、三人の内の一人が滝川の存在に気付いた。
「どなたかしら?」
「あ、ぼーさんお帰りー」
「お疲れ様です滝川さん、先に始めさせて頂いてます」
「えーっと、お邪魔しまーす」
笑顔で首を傾げる女性に、笑顔の娘。更には依頼主からも笑顔で席を勧められては、滝川に断る術はない。初対面な楓と自己紹介し合った所で、クッキーと麻衣の淹れたアイスコーヒーが置かれた。
「それで滝川さん、所長さんの方はいかがでしたか?」
「あー問題ないです。お茶ついでに白峰さんから白薔薇について、些細な事でも良いから聞いて来いとは言われましたけど」
「「「………………………」」」
滝川の言葉に、先ほどまで散々ナルについて話していた3人は噴き出して笑った。
□□□□□□□□□
「調査じゃなかったら最高の旅行だわ」
「あら?松崎さんにはどちらでも同じ事ではありません事?」
ほぅっと溜め息を吐きながら大きなベッドの上で呟く綾子に真砂子の辛辣な言葉が返る。ジロリと真砂子を睨み付けた綾子だが目の前に並べられたワインと夜食に自然、頬が緩む。
「さすが白峰のワインだわ。いい香り」
「松崎さんらしいですわ」
調査に来ても楽しむ事を忘れ無い綾子に真砂子は苦笑する。
まあ今回の調査は特に危険な事も聞かないし、始まりの白い薔薇が染まるまでは旅行気分でも問題ないだろう。
三日前に機材の設置は完了しているし真砂子と綾子は今日来たばかり。初日から来ている彼らだって定期的に気温を計る事とモニターのチェック、夜には寝ずの番が一人だけという体勢で、あとは普通の生活と変わらずに過ごしている。
唯一、安原だけは初日の挨拶に顔を出しただけで情報収集に回っているというが、調べ終わってしまえば他のメンバーと同様の過ごし方をするのだろう。
「今回の依頼人の方は随分と変わった方ですのね」
「ちょっとくらい変わってても金持ちでいい男なら良いんじゃない?」
「そんな事を言ってるんじゃありませんわ」
「判ってるわよ。まぁ、ナルを怒らせないでくれれば私たちも楽なんだから良いじゃないの」
どこまでも真面目な真砂子に今度は綾子が苦笑を浮かべ、グラスに残っていたワインを飲み干すと「おやすみ」と綾子は布団へ潜った。
「あんたも寝なさい。きっと明日はこの庭中歩き回らされて霊視させられんのよ」
「…………それはちょっと有り得そうで嫌ですわ」
そう言うと2人は声を立てて笑い合った。そして「おやすみ(なさい)」と眠りについた。
そして次の日の朝、薔薇が紅く染まった ———————————
PR
カウンター
nextキリ番 300000
カレンダー
02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
最新記事
(01/13)
(08/20)
(08/19)
(12/10)
(08/18)
(05/03)
(01/07)
(08/21)
(08/16)
(08/10)
(06/17)
(05/24)
(05/11)
(05/05)
(04/26)
(04/13)
(01/11)
(12/15)
(11/09)
(11/09)