*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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タキガワさんたちが、“じゃぁ行ってくる” と出て行こうとした時今まで一言も発していなかったクラウスが叫んだ。
「僕も連れて行って頂けませんか!?」
「...えーっと?」
困惑気味なタキガワさんが何かを言う前に、クラウスはヤスハラさんへ詰め寄る。
「クラウスと言います。Mr.ヤスハラ! 僕を助手としてお連れ下さい!! 道案内でも、荷物持ちでも結構なんでお願いします!!!」
クラウスの勢いに目を見張っていたヤスハラさんだったが、不意に “にっこり” と微笑んだ。
何だろう、背筋がゾクゾクする...
「クラウスさん、ですね? ではスミマセンが、まず大学まで案内をお願いします」
笑顔なのに身の危険を感じるのはナゼかしら?
クラウスは興奮して気付いていないようだけど...
私にはセンシティブの脳力は無いが、この嫌な予感は勘違いでは無かった。
夕方帰ってきたクラウスは今の抜け殻状態だったのだ。
“一体何が!!?”
とは思うのだが、ヤスハラさんに訊ねる勇気のある者は誰も居なかった。
まぁ、断片的にブツブツ呟いてるクラウスの言葉を聞く限り、ヤスハラさんの情報収集能力と自分の仕事っぷりの差にズドーンと落ち込んでしまった。と、いう所だろう。
「あれ、どうすんだよ?」
「しばらくすれば戻るんじゃない?」
「あなた達は明後日から調査だから良いけど、私たちはアレと数日過ごさなきゃいけないのよ」
「えー、嫌だな。僕まで気分が沈んでしまいそうだよ」
一方、彼らの居るカウンターから少し放れたテーブル席に陣取って研究員たちの会話を聞いていた綾子は、思わず目の前の少年に訊ねた。
「....ねぇ、あんた一体なにやったの?」
「心外だなぁー。僕は何もしてませんよ。普通に調べ物してただけですから♪」
「「「「..........」」」」
────── レスター東部 ──────
「でけぇー家」
ポカンと大口を開けて窓の外を見ているのは滝川。
SPR所有の大型バン2台に分かれて伯爵邸へ向かう途中、見えた邸の姿に思わず言ってしまったようだ。
運転手はルイス、助手席にマルクが座り2列目に真砂子と滝川、3列目にナルと麻衣が座っている。
滝川と同じように邸を見ていた麻衣がふと訊ねた。
「....ねぇ。この邸も全部、測量するの?」
「.......」
その実に現実的な問いに滝川は、ギギギギっと音がしそうな程ゆっくりとナルを見る。
「安原さんに感謝するんだな。見取り図がある」
手元の資料から顔を上げる事なく告げられた言葉に麻衣と滝川は安堵の声を上げる。
「よ、良かった」
「感謝しますとも! 安原さま! 修サマ! 越後屋様ーっ! 」
「でも、Mr.ヤスハラはどうやってこんな情報を集めてくるんだろうね?伯爵家の邸の見取り図なんて普通、門外不出なんじゃないかな?」
心底不思議そうに訊ねるのはマルク。
どこか遠い目をした滝川は、マルクの肩をポンと叩き呟く。
「世の中には知らない方が良い事も沢山あるんだ....」
妙に実感の篭った声色に、マルクは一昨日のクラウスの姿と安原の二次報告の内容を思い出した。
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