*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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※少しグロテスクな表現が入りますので苦手な方はご注意下さい※
“ゾクリ” と全身に走った悪寒に真砂子も麻衣も思わず息を呑む。
そして次の瞬間、紐の向かう先にある窓の外に浮かんだモノに激しい震えが襲った。
あれは犬だろうか?
右側の耳から首にかけて何かに押し潰されたように窪んでいる。
眼球はつぶれ、異様な向きに歪んだ顎からは舌が覗く。
体は元の毛の色さえ判らぬほど赤く染まり、腹からは千切れた内臓がはみ出し、そこから未だにポタポタと血が流れ出ている。
「..........ひっ....」
麻衣が思わず漏らした声にナルが気付いた。
「麻衣!? 原さん!!?」
珍しいナルの強い声に全員が視線を向けた。
するとそこにあったのは、顔面蒼白で今にも崩れ落ちそうな麻衣と真砂子の姿だった。
ナルが麻衣に、綾子が真砂子に駆け寄りその身体を支える。
「何があった!?」
ナルが麻衣の肩に手を置き訊ねるが麻衣は口元に手を当てたまま浅い呼吸を繰り返す。
その身体も強張り震えたままである。
「真砂子!!」
綾子の声に振り返れば真砂子が床に崩れ落ち、肩で呼吸をしていた。
麻衣と同じように口元に手を当て瞳を閉じ襲って来る震えに堪えているようだ。
「....っ...ど...」
「麻衣?」
ナルの胸に半ば凭れかかり青いままの顔で麻衣が告げる。
「...ま.....まど」
「窓?」
「ナル! 窓の外の気温が一気に0℃まで下がっています!!」
リンが叫び、周囲も慌てる中、麻衣と真砂子は次に視た光景が信じられなかった。
「トビー!!」
そう呼んだベティーは血まみれの犬に走り寄り抱き着いたのだ。
犬は歪んだ口から舌を出しベティーの頬を舐める。そして嬉しそうに尻尾を振る度に大量の血が溢れるのだ。
その異様な図に耐え切れず思わず瞳を逸らした2人にベティーが声を掛けた。
「お姉ちゃんたちどうかしたの?」
「......ご、ゴメンな、さいね。あ、あたくし、も...麻衣も....い...犬がダメ、なんですの...」
「そうなの? 可愛いのに」
「そ...そ、うなんだ。ご、ごめ、んねぇ...」
頬を引き攣らせたまま何とか応えを返した真砂子と麻衣。
「じゃぁ、トビーが迎えに来てくれたからベティー帰るね」
「き、気をつけて、ね。お話、してくれて、ありがとう」
「またね、お姉ちゃん」
そう言うとベティーと犬は消えた。
衝撃的なビジョンが視えなくなり麻衣と真砂子はようやく緊張を解き辛うじて立って居た麻衣も崩れ落ちた。
「....気温が戻りました」
リンの冷静な声が全員を現実へと引き戻した。
「マイとマサコは大丈夫なの?」
心配そうに訪ねるのはセシア。
「2人に一体何が?」
「僕には何が何だか...」
首を傾けつつルイスとマルクも心配そうに見守っている。
「ぼーさん、毛布か何かもらって来てくれ。リン、原さんに上着を」
「判った」
「僕もお手伝いします」
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