*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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独白(麻衣←真砂子)
ドキドキと、いつもより鼓動が早い。
東京、渋谷、道玄坂。
この道を通る時、いつも考えるのは彼女の事。
あの大陽のような笑顔が見たくて、あたくしは足早に先を急ぐ。
1分でも1秒でも早く。
ブルーグレーの扉の前で、ゆっくり呼吸を整えれば、ほらきっと貴女に逢える。
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笑顔の先に(麻衣真砂子)
「待ってよ真砂子!」
「早くおいでなさい麻衣」
人ごみの中を駆けるように進んで行く2人の少女に、周囲の男達の視線が向う。
真砂子と呼ばれた少女は肩までの黒い艶やかな髪に、ふんわりとした紺色のシフォンワンピースをまとい、麻衣と呼ばれた少女は、明るい茶の髪に、これまたふんわりとした薄いピンク色のワンピースをまとっている。
手を繋いだまま笑顔で駆け抜ける少女たちは、酷く可愛らしい
「あ、ありましたわ」
「うわー可愛い!」
「でしょう?前に見つけて、絶対に麻衣と来たいと思いましたの」
「ありがとう真砂子!大好き!」
「あたくしも大好きですわ!」
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いつも一緒に(麻衣真砂子)
「ね、真砂子ちょっとこれ食べてみて!」
あーんと差し出されたのは、お煮しめ。
おせち用のに作られたそれは、柔らかく煮られて美味しい。
「美味しいですわ」
「本当!?」
「ええ。麻衣はこちらを食べてみませんこと?」
「食べる食べる!」
再び、あーんと差し出されたのは、ふっくらとして艶を放った黒い豆。
「おいしい!」
「良かったですわ」
満面の笑みを浮かべた麻衣に、真砂子も笑みを浮かべる。
ここは麻衣の自宅。
一緒に年を越そうと約束し、ついでにお正月も一緒に過ごそうと約束した2人は、仲良くおせち作り中である。
ほとんどの物は昨日までに仕込んでしまっているので、大晦日の今日は最終の仕上げのみ。
重箱に詰められてゆく数々のおせちは、麻衣と真砂子で作り上げたもの。
今どき、ここまでしっかりとおせち料理を作れる女子高生は居ないだろう。
「凄いね真砂子!あたし黒豆こんなに綺麗に煮られないよ」
「ふふ。祖母が教えて下さいましたの」
「いいなー」
真砂子の箸使いはとても美しく、麻衣は魅入ってしまう。
そしてその箸で掴まれるおせちの仕上がりも見事で、つい羨ましくなってしまった。
「麻衣にも教えて差し上げましょうか?」
そんな麻衣の心が分かったのであろう、真砂子は優しく微笑みながら訊ねた。
「うーん、別にいいや」
「そうですの?」
喜んで飛び付いてくるかと思ったのに、麻衣の反応は真砂子にも意外であった。
首を傾げた真砂子に、麻衣は今日一番の笑みを浮かべる。
「だって真砂子が作ってくれるんでしょ?」
「っ!」
だから要らない。そう言う麻衣に、真砂子は胸がいっぱいになった。
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