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*藤袴 -thoroughwort-*

☆次回イベント予定☆                                                ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★                  

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その仕草、言い様に事の成り行きを見守っていた周辺住民が固まった。
うわぁぁ...その言い方は拙いですよー、お嬢さーん。
口をあんぐり空けたまま呆然とするフォルトレーヌ親子。そんなアホ面...否々、失礼。
「...なぁ、結構やばいんじゃね?」
なんて言葉が囁かれる中、その意味をやっと理解したらしい親子が真っ赤になって激昂した。
「な、な、何たる侮辱!! たかが一兵ごときが! おい、そこの兵! こいつを捕えろ!!!」
近くに居た王都警備隊の兵に命令するフォルトレーヌ卿(父親)。
聞くわけねーだろ、たかが地方のバカな道楽貴族の命令なんぞ。警備隊隊長を誰だと思ってやがる。
クルーも冷たい瞳で対している。
「侮辱? ...ではあなたは眞魔国の国民では無い、と?あぁ、そうですね。先程からの言葉や行動を鑑みるに、眞魔国の国民としてまったくもって相応しく無い!! ご自身でも自覚されておいでなのですね」
“さすがです!” と拍手まで付けて揶揄る。 .....どっかの赤い悪魔に毒されやしませんかー?
「言わせておけば、この小娘!!! 兵は何をしている!! もういい! ワシ直々に捌いてやる!!!!」
フォルトレーヌ卿は腰の剣を抜きクルーへと向ける。
周囲の兵が一気に殺気立った。
もちろん俺も。いつでもお嬢さんを庇い反撃できる体勢だ。
「クルーとか言ったな小娘。近衛か! 王都警備隊か!どこの部隊だ、所属と名を名乗れ!! 処分してくれるっ!!!!」
チャキと握り直した剣を突き付けるフォルトレーヌ卿。
“キャーっ” と街の娘や元娘だった方々は一斉に悲鳴を上げた。
しかし当の剣を突き付けられているクルーの様子はまったく変わらない。
「思い通りにならなければ、地位を誇示して武力行使。権力を持たせてはいけない典型的なバカね」
否、ますます晒しだす空気が冷たい上、言う事も辛辣だ。
まるでどこぞの大賢者殿のよう.... あんなのに似なくても...
思わず遠い目をしてしまったのは仕方の無い事だろう。
「所属は近衛でも王都警備隊でもありません」
“まったく” と溜め息を付きクルーが懐から何かを取り出した。それを見た瞬間、フォルトレーヌ親子が驚愕の表情で固まった。
そりゃー固まるわなぁ...ま、自業自得だな。ご愁傷さん。
「何、あれ?」
「さぁ? でもあの貴族固まってんぞ?」
ざわざわと周囲が騒がしい中、冷たい瞳に毅然とした微笑みを乗せたクルーは優雅に一礼し名乗った。


「魔王陛下直属、特別御庭部隊所属。フェイレン・クルーソーと申します」


「どうぞお見知り置きを」と言うクルーの手には水色の下地に単一の黒竜を象った徽章。それは第27代魔王ユーリ陛下の御心を託された者のみが手にする事を許された証だ。

「ま..まおう、へいか...直属?」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇーっっっ!!!!」」」」」
静まり返った中に呆然とした声は良く通った。
その声の意味を理解した瞬間、一斉に悲鳴に似た声が上がった。
そりゃー驚くわな。
全員アゴが落ちそうな位の大口を開けて固まっている。

「さて、フォルトレーヌ卿 リヒテル及び フォルトレーヌ卿 ハインツ。権力を振りかざし、多くの市民に嫌な思いをさせ、すっごい迷惑を掛けた上、未来を担うお子さんを宿された女性に対し、貴族としても、一人の魔族としても有るまじき行為! きっちり報告させて頂きますからね!」
さっきまで、あれほど威勢の良かったのが嘘のように、ぐったりとこの世の終わりの様な顔で放心している親子に高々と宣言するクルー。
何だか親子が憐れに見えて来た。
「然るべき処置がなされるでしょう。王都警備隊の人、この親子を連行して下さい」
「「「はっ!」」」
“ほら、立て!” と促される親子にクルーが近付き何か囁いた。何を言ったのかは聞き取れなかったが、フォルトレーヌ親子が怪訝な顔をしたのは見えた。
気の所為だと思いたいが、クルーの背後に暗雲が見えたような.....
そんな俺の思考を他所に街の女の子がクルーに飛びついた。
「クルー!! カッコいい♪」
「そう? どうもありがとう」
そう言って女の子の頭を撫でるクルーはいつもと何も変わらない。
そんなクルーの様子に落ち着きを取り戻して来た大人たちもクルーに話し掛ける。
「私らの為に怒ってくれてありがとねクルー」
「素敵だったわー♪」
「私、あの貴族のおっさんの手を払い除けた瞬間のクルーに惚れそうだったわ♡」
「私も!!」
「...しかしクルーが魔王陛下直属とは、たまげたなぁ」
「まったくだ」
「陛下は御側に置く人をちゃんと選んでおられるんだな」
「あぁ、陛下は我々をしっかりと気に掛けて下さっている。嬉しい事だねぇ」
「本当に...」





 

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