*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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「お? クルーじゃねーか、今日は美人のお供かい?」
「クルー、今度はうちにも寄っとくれよー!」
「クルーっ!! 今度 “やきゅう” やろねー、僕たち大分練習したんだー!!」
5分ほど歩いただけなのに周囲の店から掛けられる声の多さにテティスは驚いた。
「凄いのね、クルーって」
子供たちに笑顔で手を振っていたクルーは、呟かれた声に振り返った。
「何が?」
「だって街の人、皆クルーに笑顔で話し掛けるのよ。私びっくりしたわ」
「そうかなー?」
「そうよ。さっき子供たちが言ってた “やきゅう” ってユーリ陛下がご推奨されている “すぽーつ” ってやつよね? クルーもできるの?」
「もちろん!!」
「じゃぁ、この子が大きくなったらクルーが教えてくれる?」
「喜んで♪」
「ほら! とっとと道を空けないか!!!」
思わず眉を顰める喚き声とガターンという大きな音と “キャー” や “うわぁー” という悲鳴が上がったのは商店街も終わりに差し掛かった所だ。
「お嬢さん」
小さく呼ばれた声に振り返れば、マルクスとカーターが居た。
彼らは騒ぎに気を取られている周囲に気付かれないようそっとクルーの側に来る。
「遅くなり申し訳ありません」
「今日の行動は全てカーターが記録を取っております」
「地位剥奪を視野に入れて問題ないかと思います」
「うん、判った。小隊をこちらに回しておいて」
「はっ!」
クルーの言葉に物陰から鳩を飛ばすのだろう、カーターが踵を返す。
「きゃぁぁっ!」
思いの外、近くで上がった悲鳴とドサッという音に振り返ればテティスが倒れていた。
「テティスさん!!」
慌ててクルーが駆け寄るがテティスはお腹を押さえて蹲ったままだ。
「大丈夫ですかっ!?」
「い、痛っ...」
上げられた顔は苦痛に歪み、顔色も良く無い。
「っ、ギーゼラをここへ!!」
素早く周囲目線を走らせたクルーは王都警備隊に命令を出す。
「は、はっ!!」
クルーの姿に気付いた兵は慌てて敬礼し駆け出す。
「テティスさん、家はここから近い?」
「ぅぅ.....ニつ、向こうの...道」
「失礼致します! 王都警備隊の者です。担架をご用意しました!!」
「では彼女を家に運んで! 医療班が到着したら案内を!!」
「「「はっ!!」」」
実にキビキビとした動作でテティスを担架に乗せる警備兵の後ろから煩わしい声が聞こえた。
「何だ騒がしい」
「そこ! 何をしている? 旦那様がお通りになるのだ道を空けたまえ!!」
「否、しかし。急病人の女性が...」
「お前、ここにいらっしゃる方を誰だと思っているのだ!!フォルトレーヌ卿 ヒリテル様と御子息、ハインツ様にあられるぞ!!」
兵の説明にお付きの男が憤慨した様に喚く。
その勢いに圧されかけた兵の耳に冷静な声が聞こえた。
「そんなバカ、放っておきなさい。今はその人を運ぶ方が先でしょう!」
「「「はっ!」」」
無駄の無い動きでテティスを運んでゆく警備兵を見送ったところで問題の愚か者は我に返ったようだ。
「貴様!! 私が誰だか判っているのか!!!!」
どっかで聞いたセリフを叫びながら、がしっとクルーの肩を掴み振り返らせる。
が、クルーは煩わしそうにその手を払い、躊躇わず断言した。
「フォルトレーヌ卿。眞魔国の一国民でしょう?」
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