*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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しかしこの一癖も二癖もある上司の舵を取れる女性とは中々居ないもので
側近たちが上司の嫁探しを初めて早半年が経過しようとしていました。
「はぁ..........ダメっすねぇ」
「そうね」
資料を手に大きな溜め息を吐いたのは、ジャン・ハボック少尉。
短く揃えた金髪のヘビースモーカーな男で、人に好かれる笑顔を浮かべる男だ。
ハボックの言葉に同意したのは、リザ・ホークアイ中尉。
クールビューティーを体現したように東宮の女性の憧れのお姉様的存在で、麗しの鷹の目
なんて呼ばれることもしばしば...女性らしく長い金の髪をバレッタでひとつにまとめている。
「大佐の外見と地位のおかげで寄り付く女性は多いけれど、そういう人は、あらかさまに媚を売るから
大佐の中で遊びと割り切られてしまうし、私たちもそんな馬鹿を大佐の妻に押すわけにいかないわ」
「大佐のことをちゃんと理解して、且つ癒してくださるような女性でないとダメですよね」
リザの辛辣な言葉にも笑顔で意見を述べたのは、ケイン・フュリー曹長。
黒縁の眼鏡を掛けた小柄な男性で小動物を彷彿させる。
「しかし、イースト中の女性を調査しても上司の奥方に相応しい方が見付からないのですが.....」
「う〜ん.....範囲をイーストシティ以外にも広げるか?」
困ったように意見するのは、ヴァトー・ファルマン准尉。
歩く辞書とも唱われる知識を有した彼の脳内には今まで調査した女性の報告書が入っているが
何度見返しても上司の妻になれる女性は存在しないようで、普段から細い目を更に細めて悩んでいる。
同じく悩ましい声をあげたのは、ハイマンス・ブレタ少尉。
知略に富んだ参謀である彼は、現状を踏まえた上で次の段階を示唆している。
「しっかし、イースト以外って出逢えるもんっすかねぇ?」
「視察を増やしてみてはどうでしょう?」
「サボる口実を与えるようなものだわ」
「でもその方の普段の生活を見ない限りは、大佐に相応しいか判断できませんよね?」
「..............仕方無いわね。何とか調整してみるわ」
ブレタの提言に伴い、イースト以外の女性の調査もすることにした彼ら。
その前に立ちふさがったのは件の上司のサボり癖。
しかし上司の警護も仕事に含まれる彼らがイーストを離れるには上司を伴うより他無い。
全員が深く大きな溜め息を吐いたことは言うまでもなかった。
「姉さん、織り物コンテストに出品してみない?」
「はぁ? なに言ってんだ?」
一方こちらはリゼンブール。
弟の突然の提案に姉はおもいっきり眉を顰める。
そんな姉の反応を予想し切っていた弟は、コンテストのポスターをでかでかと広げる。
「だって、姉さんっ!出場者はイーストシティへご招待なんだよ!!」
「ふーん」
「ふーんって、興味ないの!?」
「べつにー」
「この招待してくれる時期って丁度、シンの錬丹術の展示会やってるんだよねぇ」
「なにっ!?」
「それに、招待ってことは『タダ』で』イーストシティに行けるってことだよね?」
まったく興味を示していなかった姉から興味を引き出すなんてこの弟には造作のないことであった。
新しい知識の欲求と、なにより『タダ』という言葉に姉は弱い。
「イーストシティ国立図書館にも行ってみたいなー、僕」
「アル」
「なに姉さん?」
「コンテストっていつだ?」
「1ヶ月後。ちなみに柄は指定品目の中からの選択制で、使う糸は自由。出品は1人2点まで」
「任せろ、アル!!俺がきっちり優勝してイーストシティに連れてってやるっ!!」
待ってろーーーっ!!と叫ぶと、彼女は機を織るために自室へと篭った。
そんな姉の後ろ姿を見送ると、弟はしたり顔で微笑んだ。
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