*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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一昨日の夕方。
「ただ今戻りましたー」
と、にこやかに研究室の扉を開いたのは安原。
一緒に大学に行った滝川たちとは早々に別れ、クラウスを連れ図書館へ向かったのだ。一足先に戻っていた滝川たちも “お疲れー” などと迎えている。
安原がソファーに座り全員が揃った所で “では、報告を” と言う博士の声が聞こえた。
「まず、地方伝承を調べてみたのですが特にコレといった物は無いようでした。今の所は無視して問題ないと思います。次に、レイド家所有の別荘ですがマンチェスターとグラスゴーにお持ちの様です。別荘の間取りは共に一般的な造りで1階が玄関ホールと食堂、2階に各自の部屋、あとは別荘なので庭にプールが有ったりします。ただ普段の使用は無く、霊現象は起こった事は無いとの事でした。続いて建築家ですが、特別有名な人物ではなく、スカルラ・ラドンの設計です。ラドンに関しては面白い表記を発見しました」
「面白い?」
「はい。ラドン設計の建物は僕が確認できた物が9件あります。その位置関係が気になりまして。この丸の付いている所なんですが...」
そう言って提示されたのは一枚の地図。
「一つの家を中心に均等に散らばってますね?」
「この形に何か意味があるんですか?」
セシアとルイスが地図を見ながら訊ねるが安原はそれには答えず意味深な質問を投げかける。
「リンさんはどう思われます?」
「....方角はどうなっていますか?」
「この家が北です」
「これは...主要な方角に礎のように家が置かれていますね」
「主要な方角?」
リンの言葉にイギリス組と麻衣が首を傾ける。
「東洋の占術なんかで方位を動物の名前で表す事は知ってるか?」
「十二支だよね?」
「確か、12方向、30° ごとに異なる動物が当てられてる奴ですよね?」
“そうだ” と、麻衣とマルクの言葉に頷く滝川。
「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」
十二支を順に上げながら地図に相当する方角を書き込んでいく。
「主要方位ってのは東西南北を示す、子、卯、午、酉だな。」
「では伯爵の邸は該当してないようだし、問題ないんじゃ?」
最もなルイスの言葉に滝川は首を横に振り説明を続ける。
「ところがだ、主要方位とは別に無視出来ない方角が存在する。一般的に鬼門と裏鬼門と呼ばれている、艮(うしとら)と 坤(ひつじさる)の方角だ」
「うしとら?」
「ひつじ...?」
「“うしとら” と “ひつじさる” だ。方位で言うなら北東と南西だな。特に鬼門は冥界に通ずる道や門、扉などが在ると言われる方角の事で霊的に不の要素が重なり易い場所と言っても良い。伯爵家はこの艮(うしとら)の方角にぴったり当てはまる」
「では、今回の原因は...」
「要因としては関わっている可能性は高い。だが...」
ちらりと滝川が安原を見ると彼は頷き、後の言葉を引き継いだ。
「伯爵邸でポルターガイストとみられる現象が起こったのはひと月前。邸が建てられた時期とは、まったく一致しません。別の要となる不可抗力が在ったと見るべきかと思います」
そこで言葉を切りナルを見る安原。視線の合ったナルが頷くのを確認すると表情を一変させ実に楽しそうに、こう続けた。
「実はこの9件の家を指して “完璧に配され構築された素晴らしき設計” と絶賛する方が一人いらっしゃるんです」
「“完璧に配された”?」
安原の言葉にナルが反応する。
「はい。ご自身のHPで素晴らしい建築家だと誉めておられました。お名前を、ジェイク・ロドニー氏と言われまして、ご職業は呪術師だそうです」
「「「「「「..........」」」」」」
「少年、すまんがもう一度言ってくれるか? 年の所為か最近耳が遠くなったようだ....あははは」
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