*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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「麻衣......ですわよね?」
渋谷SPRの事務所の扉を開けた状態で呆然と固まっているのは真砂子。
「いらっしゃいませー。ごいらいですか?」
と首を傾けるのは麻衣。
但し、推定5歳.....
な、何なんですの! この可愛い物体わっ!!!
真砂子は産まれて初めてと言う位、素晴らしく動揺した。
そんな彼女に話し掛けたのは実に楽しそうな笑みを浮かべた安原。
真砂子が事務所を訪れた瞬間から見ていたにも関わらず、放置していた性格の持ち主である。
「おや? 原さんお久し振りです。お元気ですか?」
「や...安原さん! なんですのコレは!?」
のほほんとした安原の言葉に思わず叫ぶ真砂子。
「何って、谷山さんじゃないですか?」
何でも無いことの様に返された言葉に真砂子は全身から力が抜けた。
「一体、何が有ったんですの?」
安原が淹れてくれた緑茶を飲み一息付いた所で、真砂子はソファーに座ってアイスを食べている麻衣に視線をやりながら訊ねる。
「僕も何がどうなって谷山さんがこの姿になったのか全く判らないのですが、前の調査が終わった後で突然....」
「それからずっと?」
「はい」
「...ナルは麻衣のこの状態に対して何か言ってまして?」
「色々調べてはいらっしゃるのですが....」
「判らないんですのね」
真砂子は小さく息を吐き、再び麻衣に瞳を向けた。
「麻衣の記憶はあるのですか?」
「5歳までの記憶しかありません......何か視えますか?」
「いいえ......麻衣の体調などに変化は?」
「僕は何とも無いように見えますが、どうなんですか所長?」
安原の言葉に振り返れば、所長室の扉の前にナルが立っていた。
それに気付いた麻衣は、ピョンっとソファーを飛び降り、パタパタと駆けてゆく。
「ナル、だっこ♪」
そう言って手を伸ばした麻衣を抱き上げ、ナルも真砂子たちの居るソファーへ向かう。
「僕にも特に変化は無い様に見えます」
先ほどの抱き上げ方や、今も麻衣を膝に乗せたままのナルに、真砂子は頭の中がぶっ飛びそうになった。
な、な、ナルが子供をあやして.....い、否、麻衣ですけれど、でも......
そんな真砂子の心情が手に取る様に判るのか、安原はとても楽しそうだ。
ナルの膝の上で麻衣は “うんしょっ” と言いながら身体の向きを変える。
小さな手で “きゅっ” と抱き着き頭をナルの胸に預ける。
「麻衣、眠いのか?」
そう訊ねるナルに、更に強く頬を擦り寄せる麻衣。
本格的にお寝むの様だ。
ナルはそんな麻衣の背中を片手でポンポンと叩きながら、傍らの本を引寄せる。
「所長、お茶淹れましょうか?」
「お願いします」
全く動揺する事なく会話をする2人に真砂子は、コレが日常である事に思い至った。
「......あ、あたくし。今日は、し、失礼致しますわ」
呆然としつつも、ちゃんと挨拶して帰る辺りはさすが真砂子。
あー、これはかなりのダメージな様ですねぇ....
そんな事を考えながら、給湯室に向かう安原。
ソファーにはスヤスヤと寝息を立てる麻衣と本を読みふける青年。
これが新たなSPRの日常となりつつ有った。
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