*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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カランコロン
店の扉を開けば年代もののベルの音が鳴り響く。
リリーの紅茶専門店。
貴族は疎か王室からも買い付けに来ると囁かれる、知る人ぞ知る、紅茶の名店である。
「いらっしゃいませ」
優しい声で出迎えてくれたのは初老の男の人。
鼻の下にはフサフサとした白い髭を蓄え、英国紳士としてはやや小柄な体格だが、ステッキと帽子が良く似合いそうだ。
店のカウンターに鎮座し微笑む様は “おじいちゃん” を思わせ癒し効果絶大だ。
「こんにちわ♪」
そう挨拶すれば、“はい、こんにちわ” と笑い返してくれた。
「初めましてですね、レディ? わたしはこの店のオーナーのウェスターです。どうぞよろしく」
「こちらこそよろしくお願いします、ウェスターさん。私はマイです」
で、こっちがと隣りで黙ったままのナルを促せば小さく黙礼し名乗った。
「オリヴァー・ディビスです」
「それだけー?」
「それ以外に何を言えと?」
そんなナルとマイのやり取りを見てウェスターは笑みを深めた。
「さて、本日は如何致しましょう?」
「茶葉を。取りあえず一通り見せてもらっても良いですか?」
「もちろんです、どうぞごゆっくり。ご質問が有ればお呼び下さい」
「はぁい♪」
ざっと店内に目をやれば並べられる紅茶の種類の多い事。
ダージリン、アールグレイ、アッサムなどはもちろん、フレバード系も結構ある。
「どれにしようかな〜...ナルはどれが良い?」
「何でも」
「気に入った香りとか無い? あ、これどう?」
そう言って渡したのはオレンジの香りのする紅茶だ。
「別に普通で良い」
.....張り合いの無いナルは放っておいて
自分用に桃の葉入りの紅茶とマリーゴールドの花弁の入ったものをナル用に、ダージリンのファーストフラッシュとサクランボの実が入ったものを選んだ。
「お気に召したものは有りましたかな? こちら新作なんですが、お味見いかがです?」
「わっ♪ 良い香り」
「少しだけバニラが入っておりますので甘い香りがします。こちらはダージリンの茶葉を練り込んだクッキーです。お茶請けにどうぞ」
「ありがとうございます」
一口含めば、ほのかにバニラの風味がして良い感じだ。もっと濃く淹れてミルクティーにしても美味しいかもしれない。
クッキーにも手を伸ばせば、やはりこちらも非常に美味しい。
「んー♪ 美味しい、幸せ♪」
「それはありがとうございます」
「このクッキーも売ってるんですか?」
「いいえ、これは私の妻が趣味で作っているのです。レシピ、お渡ししましょうか?」
「え! 良いんですか!?」
わーい! と喜ぶ麻衣の隣りではナルが静かに紅茶を飲んでいた。
「あれ? ナル、その紅茶気に入った? 良し、それも買って帰ろう♪」
end
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