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*藤袴 -thoroughwort-*

☆次回イベント予定☆                                                ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★                  

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カタンカタンと一定のリズムを刻む列車の音は酷く眠気を誘う。
セントラルからイーストへ向かう列車の中で俺は欠伸を噛み殺す。
久々に帰るって電話してみたら、すんげぇ喜ばれた。
迎えに行くとかほざいてやがったけど絶対くんなって言っておいたし、中尉にも見張っててくれって頼んだから多分大丈夫。
駅なんかに居る訳無い。
そう思うのにちょっとどこかで期待してる自分がいる。
どんなに仕事が山積みでも、俺の為なら本気モードで片付けるとか中尉が言うから………
もし来てたら今日はちょっとだけ甘やかしてやろうかと思う。
いやだって中尉が今本当に忙しくって大変だって言ってたから!!

「兄さんどうしたの?何か顔赤いけど暑いの?」

パタパタと火照った頬を冷ます様に手で仰いでたらアルに不審な目で見られた。
いや、その、そうだ今日は暑いんだ!とか言って誤摩化しといたけど何か色々見破られてる気がする。
気まずくて窓の外を眺めていたら徐々に景色の流れが緩やかになる。
もうすぐイーストシティに着く。
そう思うと、少し治まっていた胸のドキドキが又大きくなった気がする。
………………大佐は居るだろうか?
期待が裏切られる事が怖くて俺は窓の外を見るのを止めた。
アルは無邪気に「みんな元気かなぁ、早く逢いたいなぁ」なんて呟いている。
列車が完全に停止し、俺たちはホームに降りた。
期待した人影は無い。
いや、居る方がおかしい。そう言い聞かせて改札を出た先に、奴は居た。
軍用車の傍らに佇み「お帰り鋼の」なんて言いやがる。
後方には中尉と少尉も笑って立っている。

あぁもう、こんちくしょう!!

俺は嬉しくって照れくさくてもうどうしようもなくて、憎らしい顔で笑ってる大佐の元へ駆けた。
そんな俺の行動に驚いたように目を見張ったアンタは、嬉しそうに目を細めて俺を抱き締めた。
恥ずかしいからアンタの肩に額を押し付けて顔は上げないまま抱き着く。
耳元でクスクスとアンタが笑う。
もう俺の顔は耳まで真っ赤なんだろうと思うけど、離れたくない。

「お帰り鋼の」

もう一度アンタが俺に言う。
ゆっくりと顔を上げた俺はアンタにだけに聞こえる声で囁いた。

「ただいま……ロイ」

再び目を見張ったアンタの瞼に俺は1つキスを贈った。



 

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ロイエドで結婚パロで襲い受けな作品を4時間以内に6RTされたら書(描)きましょう






「な.......俺のこと、好き?」
「も.....もちろん、あいしているとも」

ベッドの上に寝転んだ私の上に、愛しい恋人が乗上げ、更にはこんな事を訊ねられれば男の理性など簡単に崩れて当然であろう。
だがしかし、私は目の前の恋人を押し倒す訳にはいかないのだ。
結婚前に一緒に住む条件として、中尉とアルフォンスから絶対に手を出すなと、それはもう厳しい約束をさせられてしまったのだ。
そして目の前で小悪魔の如く首を傾げている恋人は、その条件を知ってこんな事をしているのだ。

「じゃあ、キスしてくれよ」

ははははははははははがねの!!!
私の顔を覗き込んで来る顔と瞳があまりに近くて、私は心底狼狽えた。
固まって抱き締める事さえできない私に向かってゆっくりと身を屈めてくる君。
柔らかく暖かいモノが、私の唇を覆う。

「っ!」
「アンタがさ、俺を……大事、にしてくれてるのは......分かるよ」
「はが.........」
「……でも、さ」

息を詰める私に、何度もキスをしながら途切れ途切れに訴える君の声が切ない。

「俺ばっかりがアンタを好きなのかと思うと辛い」
「鋼の!」

もう約束だとかいう事は頭の中から消え去った。
身体の位置を入替え恋人を見下ろした私は、真摯に彼の瞳を見て言う。

「君を永遠に愛し抜くと誓おう」
「その言葉忘れんなよ?」

愛しい人を泣かせてまで守る約束など何の意味も無い。




 
 

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Discolo(配布)より「さよならの後の5題」





ポケットに小銭だけを入れて、俺は中央司令部の門をくぐった。
今日、ついにアイツが軍の一番上の席に着いた。
駅からここへ向かう途中、街の至る所で、祝いの声が上がり、人々の顔に笑みが浮かんでいた。
これがアイツの目指していた未来だと、俺は嬉しくなった。
でも同時に、俺とアイツの繋がりも、これでなくなるのだと、少し寂しく思う。
いくつもの階段を昇り、大きな扉の前に立った俺は、深く息を吸った。
そして右手を上げ、ゆっくりとその扉に手を伸ばす。
コンコン。
思っていた以上にその音は大きく聞こえた。

「入りたまえ」

久々に聞こえた声に、涙が出そうになった。
俺はいつもの不敵な笑みを浮かべると、その扉を勢い良く開いた。

「よう、大佐!」
「!?」

唖然としたアイツの顔に、俺は吹き出した。

「もう、大佐ではないよ」

くくくと笑う俺に、落ち着きを取り戻したアイツはいつものポーズでそう言う。

「約束……守りにきた」
「鋼の?」

小銭を握り締めた手を、ぐっと前に突き出す。

「もう鋼じゃねーよ」
「…そうだったな」

苦笑し合う俺たち。
この関係も終わらせなければならない。
瞑目した俺は、ゆっくりと足をアイツに向けて進める。

「おめでとう大佐」
「ありがとう」

俺の言葉に、アイツは少し照れくさそうに笑った。

「じゃあな」

元気で。そう想いを込めて踵を返した俺は、そのまま部屋から出る。
否、出ようとした。

「エドワード」

背中から包み込まれるように抱きしめてきたアイツが、俺の名を呼ぶ。

「放せよ」
「嫌だ」
「なぁ、マジで放してくれよ」

これ以上は本気でマズイと、懇願すれば、不機嫌そうなアイツの顔が覗き込んできた。

「嫌だと言っただろう。そもそも君は、私が大総統になったあとも色々借りにくると言っていたじゃないか。それなのに、今君は、このまま私を捨てて行こうとしている」

覚えてたのか……と、俺は唖然とした。
あんな俺が一方的に言い放った言葉を覚えていたアイツに。

「いや、あん時はそう思ったけど、もうアンタ大丈夫だと思うし」
「全然大丈夫なんかじゃない!」
「たいさ」
「鋼の、私が嫌いか?私が隣りに居ると、私の想いは迷惑か?」

そんなわけない。
頬に手を添えられ、懇願するようなアイツの言葉に、俺は何も言えなかった。

「鋼の。否、エドワード!」
「な、なに?」
「このまま、私の傍に居てくれないか?もう、君無しでは生きていけそうにない」

苦しい程に強く抱きしめられた俺は、もう逃げられない事を悟った。





何か長くなちゃったけど間に合った!!
ついったーで今年のロイエド記念日に捧げました♪
#re520 (*`_>´)♡(・∀・*)∞< #RE520祭

 

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「真赤」恋したくなるお題(配布)より「狂気の恋」





「すっげえ美味かった!」
「それは良かった。気に入ったのなら、また今度付き合ってくれたまえ」
「気が向いたらな」

ロイに夕食を一緒にどうかねと誘われ、なんとなくOKした日。
意外にも話は弾んで、料理も美味かった。
少しだけ飲ませてもらったアルコールも手伝い、エドワードは自分の心が浮き足立っているのが分かった。
宿まで送ろう。
そう言われた事にも、俺は女じゃねーと悪態をつきつつも、嫌だとは思わなかった。
テンポ良く続いていた会話が、宿が見えた所で止まる。

「……大佐?」
「明日…ここを立つんだったな」
「ああ」

司令部で報告した事を、再度訊ねたロイにエドワードは頷きつつも首を傾げる。

「なに?」

どうしたのか?と、いつもと様子の違うロイを見やれば、真剣な色の瞳に捕われる。
スッと伸びてきた手が、エドワードの頬を撫でる。

「気を付けて行ってきなさい」
「………お、おう!」

思いがけない言葉に一瞬詰まるも、頷くエドワード。
それに満足したロイは、穏やかに笑った。
そして最後に、エドワードの頭をくしゃりと撫で、踵を返した。

「おやすみ、鋼の」
「………おやすみ、たいさ」

聞こえるかどうか……そんな小さな言葉に、岐路に付き、背を向けたままのロイの手が応える様に挙がった。




 

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「よう無能!」
立入り禁止の屋上に、幼い声が響く。
誰も居ないはずの場所から、苦虫を噛み潰したような声が返る。
「……今日は晴れだ」
自らの腕を枕に、寝転んだ大人は、ゆっくりと近付く足音にも動こうとはしない。
「だからって仕事サボってたら無能だろ?」
「中尉か」
確認ではなく、断言する声に、エドワードは呆れる。
「判ってんなら戻れよ」
「……」
溜め息と共に吐き出した言葉に返されるのは、無言の抵抗。
この大人は随分と参っているらしい。
「メシは?」
「……」
「昨日ちゃんと寝たのか?」
ドカッと隣りに腰を下ろしたエドワードは、差し障りのない質問を重ねる。
「…はがねの」
「ん?」
「…傍に」
「居るよ」
「……うん」
単語だけの会話。それ以降、なにも言葉を交わすことはない。
ロイは目を閉じたまま屋上に寝転び、エドワードは隣りに座って柔らかい黒髪を撫でる。
荒んでいたロイの周りの空気が、少し穏やかになったことに、エドはほっと息を吐く。
やがて空が茜色に染まる頃、初めてロイの瞳がエドワードに向けられる。
「はがねの」
「なに」
「お帰り」
ロイの顔に浮かんだ笑みに、エドワードも笑みを返す。
「ただいま、大佐」



 

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中秋の名月がキレイだったので、うっかり妄想してました。
ついったーに上げてたんで短いです^^





「でっけー月」
食事を終えた帰り道。
一際輝く月を見上げて瞳を見開く姿に思わず笑うと、眉を顰めた君に睨まれた。
「いや。君が月に興味を示すなんて珍しいなと思って」
「悪いかよ」
自分でも珍しいと分かっていたのだろう。
正直に告げた私の言葉に、そう怒ることはなく、君は拗ねたように呟く。

悪いなんて言ってないだろう?クスクスと笑いながらアイツは俺の頬を撫でる。
睨み付けても涼しい顔で笑ってるあたり、気にいらねえ……
あんたみたいだ
真っ暗な空を優しく照らす。
そんな姿が重なって見えたなんて、絶対に言ってやらねえ。




鋼(ロイエドお月見妄想1)

==================




「よう大佐!仕事してっか?」
「鋼の………私は忙しいんだが」
仕事中に掛かってきた陽気な声に、思わず眉を顰める。
立続けに起こったテロ騒ぎの所為で寝ておらず、私の機嫌は最下層と言ってもいいくらいだ。
「なあ、窓の外見れるか?」
唐突な言葉に思わず窓を見やれば、思いの外明るかった。
「…月?」
「そ。今日満月なんだぜ大佐」
「気付かなかった」
「あんま無理すんなよ」
「君こそ」
先ほどまでとは違い、心が温かい。
じゃあ、と切った電話を置くと再び書類を手にする。
視界に入る月明かりに、自然と笑みを零しながら。




鋼(ロイエドお月見妄想2)


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