*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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「おはようございます、マスタング中将」
「おはよう」
ピンと背筋を伸ばし、最敬礼で迎えるは大総統府の門番。
まさか自分がここに門番に顔を覚えられるほど通う事になるとは思いもしなかった。
否、ほぼ泊まり込んでいると言っていい。
ここには私が唯一愛した者が眠っている。
そう文字通り眠っているのだ。半年前、あの戦いからずっと....
目的の部屋を目指しながら長い廊下を歩く。
コツコツという自分の足音だけが響いている。
ふと窓に目をやれば赤く染まった葉が舞い落ちている。
「半年か」
それが長いのか短いのか自分には判断が付かない。
1年以内と愛する者の父親は言っていた。
目覚めると言うのならば私は待とう、いつまでも。
君が目の前に居るというのに何も出来ない事がこんなにも歯痒いとは思わなかったよ...
早く戻って来たまえ
.........エドワード
「誰だ!!」
「ひぃぃぃぃ! う、撃たないで下さい!!」
ジャキッと銃を向けたブレタが聞いたのは何とも情けない声。
どうしたものかと上官へ視線を向ければ、彼女は少し驚いているようだった。
「あなたは確か、アームストロング少佐の....」
「はい! 少佐の部下でブロッシュと申します。マ、マスタング大佐に伝言をお預かりして来ました」
「誰からのだ?」
「わ、渡せば判るらしいのですが。えーっと、ホークアイ中尉ですよね?あなたでも良いらしいのですが....」
そう言って差し出されたのは白い封筒。ホークアイは内心首を傾けつつ受取った。
クルリと裏返せば見慣れた刻印。思わず頬が緩んでしまう。
「あら?」
「中尉?」
訝しげにブレタが訊ねるが、それに答えること無くご機嫌な様子で奥へと促した。
「大佐、失礼致します」
「中尉か? どうした?」
「今し方、ブロッシュ軍曹が来られました」
「ブロッシュ...?」
「アームストロング少佐の部下の男性です」
「あぁ、で理由は?」
「はい。マスタング大佐へラブレターのお届けだそうです」
「.......中尉」
「冗談です。でも、とっても可愛らしい封筒ですよ?」
珍しい。くすくすと中尉が笑っている。
差し出された封筒に目をやれば、確かに微笑ましい。
「おや? モテる男は辛いもんだ」
軽口を叩きながら中の手紙に目を通す。我ながら現金なものだ。
手紙一つでこうも気分が浮上するとは...
顔を上げれば主立った部下が揃っていた。ブレタが焦れたように問いかける。
「で、大佐。それ誰からなんです?」
「ん? 金の子猫...かな?」
「子猫....エドですか?」
「で、エドワード君は何と?」
ホークアイが訊ねれば、ロイは流れるようにこう読み上げた。
「朝日は山に埋もれ、星は海に沈み、太陽は雲に覆われ、吹雪は収まらず、内に残るは強さなり」
「暗号ですか?」
「これは中々に頼もしいね」
「どういう意味です?」
判らないと顔を見合わせる部下にロイは笑いながら告げる。
「東はグラマン、西はトーンスタイン、南はリカール、北はネルソン、中央にアームストロング」
「地方の指令官ですね?」
「彼らが動き出したらしい」
「他には?」
「あとは私への激励かな?」
「へー、エドの奴も大佐に激励なんて書くんですねー」
意外だと言うブレタに笑みを返しながら “読むかね?” と手紙を渡してやった。
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