*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
青褪め、ガタガタと震えていたエドワードだったが、ふと動きを止め窓の外を見る。
そうして遠くを見つめる様にした後、大きく息を吐きアルフォンスを見、力無く呟く。
「アル、俺たち短い人生だったな」
「そうだね、兄さん。色々有ったけど楽しかったね」
はは、ははははは。
一頻り笑いあって2人して遠くを見つめる。
「僕、せめて彼女欲しかったな」
「リィ辺りに頼んで見ろ」
「.....僕、彼女作るのにも命かけないとダメなんだ」
「間違っても、“もうちょっとしたら殺されちゃうんで、せめて最後に彼女になって下さい” 何て言わなきゃ大丈夫だよ」
「じゃぁ、何て言えば良いのさ」
「それは、お前が考えるんだろ?他の奴が考えた言葉なんかでお前の心が通じるか」
「う゛ー.....だってさー....」
ぶつぶつと何事かを呟いているアルフォンスを今までに見た事も無い暖かい眼で見て微笑むエドワードはまるで聖母の様で美しかった。
少年に対し聖母は可笑しいだろうと思うが、司令部の人間は全員否定出来ずそんなエドワードに見蕩れていた。女ったらしの異名を持つロイ・マスタング大佐も例外では無く普段のポーカーフェイスは全く保っておらず、驚愕の表情を浮かべ見つめていた。
全員の視線を感じ居心地が悪くなったのかエドワードはガシガシと頭と掻きつつロイに尋ねた。
「ふぅ... あー 大佐。そのー、受付に受付に居る人、ここに通しても?」
「私は構わんが、否、その、大丈夫なのか?」
あれだけ動揺していたにも関わらず、その人物に会う気なのか?と思わず訊いてしまった。
エドワードは一瞬驚いた様で言葉に詰まったが、視線をどこか遠くへ向け呟いた。
「..........まぁ、なる様になるさ。いい加減案内するか俺たちが出て行かないと、ここ壊されそうだし」
「こ、壊すって、君ね一体」
どんな人物なんだね?と続く言葉はエドワードの声に遮られた。
「大佐の許可下りたから、案内よろしく。無駄口叩くと危ないから注意してなー」
ひらひらと手をふって軍曹に頼むエドワードに、軍曹は敬礼し去って行った。
「で、鋼の」
「何?」
「知合いの様だが一体誰が来てるんだね?」
「..............世界最強の主婦。んでもって、俺たちの錬金術の師匠」
主婦!?って事は女性の方に怯えていたのか。
「どんな女性(ひと)なんだね?」
この2人がこんなに怯える様な師匠(女性)...
実に興味が湧いて思わず訊いてしまった事を非常に後悔した。
「最強って言葉はあの人の為にある言葉なんだ、絶対」
「あの修行の日々を思い出すだけで記憶が飛びそうだもんね」
「普通8歳と9歳の子供にさー、“錬金術は一切使わずここで1ヶ月生抜いてみろ”って、サバイバルナイフ1本だけ渡して無人島に放置してかないよなー」
「しかも、きっちり課題だけは出して、“《全は一、一は全》1月経ったら迎えに来る。それまでにこの意味が理解できたら弟子にしてやる”ってねー」
「“猛獣なんか居ないし、まぁ頑張れ”とか言ってたのに、その夜いきなり変な奴襲ってくるし」
「あ、その人師匠んとこの従業員だったんですけど、その時はそんな事判らないし強いし、折角捕った獲物(食料)、掻っ攫って行くし」
「1週間後くらいにはさ、もう」
「「死ぬかと思った(いました)」」
「「「「「「.....」」」」」」
司令部の面々は思わず顔を見合わせる。エルリック兄弟の強さの秘密を垣間見た気がする。
PR
カウンター
nextキリ番 300000
カレンダー
02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
最新記事
(01/13)
(08/20)
(08/19)
(12/10)
(08/18)
(05/03)
(01/07)
(08/21)
(08/16)
(08/10)
(06/17)
(05/24)
(05/11)
(05/05)
(04/26)
(04/13)
(01/11)
(12/15)
(11/09)
(11/09)