*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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今日も、今日とて俺は愛する娘(自称)に逢うため渋谷に足を運んだ。
そして今、俺は自分の判断に激しく後悔している。
SPRの事務所の扉の前、ふと今日は少年が休みだった事を思い出した俺。
つい出来心で、普段のアイツらがどんな風に過ごしているのか見てみたいなぁ。
なーんて考えてしまった。
俺としてはだ、いつもと何も変わらない状況が繰り広げられていると思ったんだ!
それなのに、それなのに!!
アレを見た時の俺の気持ちがお前らに判るかっ!?
可愛い可愛い可愛いうちの娘がぁぁっ!!!
コホン。
ともかくだ、俺は普段のナルと麻衣を見る為、そぉーっと扉を開けたんだ。
「ナルー、お茶飲む?」
所長室の扉をノックし顔を覗かせた麻衣はパソコンと睨めっこなナルに声を掛ける。
返らないかと思っていた返事は以外にも直ぐ聞こえた。
「ダージリン」
「はぁい。こっちで飲むでしょ?」
と言えば、カタンと立ち上がる音が聞こえた。その事に自然、笑みが浮かぶ。
鼻歌混じりに紅茶を淹れ蒸らしている間に冷蔵庫から小さな箱を取り出す。
今人気な野菜と果物だけを使った甘くないゼリー。
講義が終わった後2時間も並んでようやく手に入れた代物だ。
「お待たせー♪」
ゼリーと紅茶を持ってナルの隣に座れば、早速紅茶へと伸ばされる手。
一口飲んだのを確認しゼリーをナルの前に置く。
「...これは?」
「ゼリー」
「僕はいい」
「今日のお昼、何食べた?」
いつもの様に要らないと言うナルに、麻衣はニコニコて笑みを絶やさずたずねる。
「......」
「ちゃんと食べるってゆったよね? 何食べた?」
ニコニコニコニコニコ
麻衣の絶やされる事のない微笑みに、うっと詰まったナルは観念し正直に一言呟いた。
「忘れてた」
予想通りのその言葉に麻衣は大きな溜め息を付く。
「はぁ、なーんで忘れるかなぁ.....
これね、今人気の野菜と果物のゼリーなの。これ位なら食べれるでしょ?」
“はい” とスプーンを渡せば渋々ながら受け取るナル。
ゆっくりと口にゼリーを運ぶナルに満足し、麻衣もゼリーに手を伸ばす。
「んー美味しぃ♪ 並んだ甲斐有ったなぁ」
「...少し遅れたのはその所為か?」
「うっ...だ、だってあんな並んでと思わなかったんだもん」
「買わないと言う選択肢は無いのか?」
「うん、無いね。どっかの誰かさんがちゃんとご飯忘れず食べてくれるなら有りかもしんないけど」
呆れた表情のナルに麻衣は胸を張って返す。
「.....善処する」
そう言って再びゼリーを口に運ぶナルに麻衣は満足げに微笑む
「ふふ。美味しい?」
「マズくは無い。」
「こっちも食べてみる? はい」
そう言って差し出されたのはスプーンに乗った麻衣のゼリー。
「...こっちも食べたいなら素直にそう言えば良いだろう」
ナルはそう言うと差し出されたゼリーを口に含んだ。
「そんなんじゃないやい!」
「じゃぁ要らないのか?」
むぅーっと拗ねる麻衣に薄く笑いながら自分のゼリーを掬い差し出す。
その珍しい笑みに麻衣も満面の笑みを返し口を開ける。
「うん。こっちも美味しい♪」
そんな一部始終を見てしまい石の様に固まった自称、父親が一人。
end
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