*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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ちょっとパラレル設定でお送りします(笑)
悪霊の世界に突如未来からやってきた女性! 彼女は一体!?
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!!」と言う盛大な悲鳴と共に事務所に人が落ちて来た。
その場に居合わせた者は皆、多少の事には動じないがこれには本気で驚いた。
否、だってそれは驚くだろう。何も無い空間から突如人が落ちて来たら。
「うぅ.....痛い」
床にぶつけたのであろう額を抑えつつ身体を起こしたその人は二十代中頃の小柄な女性。
実体があるようなので幽霊という訳ではないだろう。
が、果たして彼女は一体誰なのか?
全員が何と声を掛けたものか悩んでる内に、一人の勇者がトコトコと歩み寄った。
「おねーちゃんだいじょうぶ?」
小首を傾げて横から覗き込むのは5歳になってしまった麻衣。
その超絶なまでの愛くるしさにどうやら彼女はノックアウトされたようだ。
なぜなら麻衣のその顔を見た瞬間に「きゃー、可愛いーー!!」っと麻衣を抱き締めたのだ。
麻衣を抱き締めたまま頬ずりして話さない女性に唖然としていた一同だが「はっ!」と気付くと当初の疑問を解消すべくぽりぽりと頬を掻きながら滝川が代表して訊ねた。
「なぁ、ちょいと訊ねたいんだが」
「へ? うっわぁ〜、ぼーさんだぁーーーーー!!! しかも若い!!」
ぱちくりと瞳を大きく瞬かせた女性は「え”っ!?」と驚く滝川を他所に思いっきり抱き着いた。
「ち、ちょっと!」と慌てる滝川に構わず腕や胸板をベタベタと遠慮なしに触る女性。
「えっと.........取りあえずアンタ、名前は?」
初対面の女性に触られまくった為か、やや疲れた声で訊ねる滝川。
彼女はようやく自分の状況に気付いたようでキョロキョロと事務所の中を見渡した。
そしてその場に居た人間の顔をじっくりと眺めたあと素晴らしい笑顔を浮かべた。
「あ、りんです。こんにちは〜♪」
「「「「「「「..........」」」」」」」
滝川の問いに返った名前に、全員が動きを止め彼女を見つめ、資料室の主を見る。
全員の「知り合いか?」と問う視線にぶんぶんと左右に首を振り否定する林。
それを見た一同は再び女性へと顔を戻す。
しかし彼女はにこにことした笑みを絶やす事なく見返してくる。
「何か?」
なんだかイギリスの某女性に通ずるものを感じさせる微笑みだ。
それがその場に居た全員の共通認識であった。
「えっと...りん、さんはどーやってココに?」
「さぁ? 気付いたらココに居たんで」
今度は某調査員の少女を彷彿とさせる言葉に全員が黙り込んだ。
女性の腕の中の麻衣(5歳児)だけが変わらずにこにこと笑っている。
「取りあえずソファーにお座りになりませんか?」
「それがよろしおす。最近は温かい日が多いゆーても床は冷たいですよってから」
眼鏡の光る越後屋と慈愛の溢れる神父さま...
異なる2種類の微笑みで彼女を促したのち全員がソファーへと座った。
そして綾子が淹れた紅茶を飲み落着いた所で今まで一言も口を開いていなかったナルが訊ねる。
「それで、貴女はどちらから来られたのでしょうか?」
「えーっと信じてもらえるとは思えないんだけど、多分未来から」
「「「「「「「.......」」」」」」」
あっさりサックリと告げられた内容に一同黙り込む。
ナルに至っては眉間に大きく皺を寄せているが、瞳の奥は興味を示しているようだ。
「多分というのは?」
「だって私がここは過去って思ってても、それが事実かの確証はされてないでしょ?」
彼女の応えはナルを満足させたらしい。
「確かに」と呟いたのちその女性を見つめたまま何やら思案している。
初対面の女性ならナルに見つめられれば頬を染めそうなものだが、彼女は平然とナルの顔を見ている。
「では貴女が未来の人だと証明できるようなものはありますか?」
「う〜ん...写真とかあれば一番良いんだろうけど持ち歩いてないしなぁ」
パタパタと服のポケットを探るが何も出て来ず女性は「むー」と唸る。
無いものは(非常に残念だが)仕方が無いと諦めたナルは、貴重な現象の生き承認かもしれない女性に向かって訊ねた。
「いくつか質問しても?」
「はーい、どうぞ」
「未来というのは何年先でしょう?」
「んーっと10年くらい?」
「そう判断した根拠は?」
「この中に未来で知ってる人が居るんでその人の見た目年齢で」
「....ではその人について貴女が知ってる事を話して下さい」
「何でも良いの?」
「構いません」
「えーっとじゃぁ、ぼーさんはミュージシャンで綾子は樹の巫女、真砂子は霊媒でジョンが神父様」
「それは少し調べれば判るでしょう。他には?」
「安原さんは少年で眼鏡キランな越後屋さんだけど、実は妹と真砂子には勝てない優しいお兄ちゃん。ナルはゴーストハンターで無愛想でナルシストな新進気鋭のデイヴィス博士。三度の飯より本が好きだけど、同じくらい麻衣の淹れた紅茶が好き。あ、確かぼーさんは腰痛に悩まされてる時期で「俺ももう歳かなぁ」って呟いたら、それを哀れに思った梅吉くんがマッサージしてくれてるんだよね。あとリンさんはメカニックで日課は毎朝のスズメさんへの餌やり。日々の癒しはそれだけっていう超寂しい生活を送ってて、主婦に混じってタイムセールスに突撃したり、もやし買い占めたりしてる頃だよね」
包み隠す事なく語られる(一部の)秘められた生活に何とも言えない表情を浮かべる者が多い。
否、某不憫な方のみ「なぜそれを!?」という顔をしている......
まさか誰にも知られてないとでも思っていたのだろうか?
いやそんな事よりもこの女性はどうやらここのメンバー全員と未来で面識があるようだ。
流石に調べただけで愛猫とのエピソードやスズメさんとの生活は出て来ないだろう。
そう判断したらしいナルは次々と質問を重ねて行った。
「.......で、気付いたらここに居たと?」
「うんうん、大体そんな感じ」
「今までにこのような経験をした事は」
「人生初のタイムスリップだともさ」
「そうですか。では何故ここに来たのかは判りますか?」
ナルの質問に「さぁ?」と首を傾けた女性だったが不意に笑みを深くした。
聞き耳を立てていた全員がその笑顔に「?」マークを浮かべた時その爆弾は投下さらた。
「でもしいて言うなら旦那が居るんで引張られたのかもしんない」
「...............だんな?」
ぼそっと聞き返したのは滝川。その声は意外に良く響き、彼女の耳にも入ってしまった。
にこっと笑う女性と目が合ってしまい滝川はやや引き攣った笑みを返す。
「ち、ちなみに誰とか聞いても?」と恐る恐る訊ねる滝川に彼女は「誰だと思う〜?」と質問で返す。
(最初に抱き着いたくらいだし、旦那ってぼーずかしら?)
(でも彼女 “りん” って名乗りましたよね? それが名字だとしたら...)
滝川の背後でボソボソと綾子や少年が女性の旦那予想を立てていた時、彼女は何やら気付いたようで「あれ?」と
声を上げると指を折りながら何かを数えている。
「今、19XX年だったよね? だったらもう出逢ってるハズなんだけどな....」
話し声が一瞬だけピタっと止んだ。
(え、って事は彼女の “だんな” さんは彼女を知ってるのに知らない人を装ってるって事ですか?)
(誰よその最低男まっしぐらな “だんな” )
再び交わされるボソボソとした少年と綾子の会話。ただし内容は決行辛辣。
「で、一体誰なの、その甲斐性なさそうな旦那って?」
腕を組んで背後にどんっと効果音が付きそうな険しい表情で訊ねる綾子。
その姿に一部の男性陣が怯むが彼女は微笑んだまま答える。
「うーん? ぼーさんじゃ無いよ〜」
彼女の答えに滝川はこっそりと胸を撫で下ろした事は秘密だ。
そしてチラリと向けられた彼女の視線の先に居る人物に自然と皆の視線が集まる。
「!? わ、私じゃありませんよ!!」
8対の瞳を向けられた男は狼狽えブンブンと首を振る。
しかしその言葉に向けられる疑いの眼差しに彼は決心したように女性に向き直る。
「コホン。そ、その...申し訳ありませんが私は貴女を存じ上げません」
「そんな!! 酷い.......私との事は...遊びだったんですね?」
「なっ! そうは言われても知らないのですから...」
「私だけを愛して下さるというから....だから私は彼方に」
キッパリとしたリンの言葉に女性は口元を覆いながら泣き崩れる。
嗚咽を零しながら訴えられた内容に、特に女性陣からの針のような視線がリンに向けられる。
「ちょっとリン、アンタ本当に知らないの?」
「ですから最初から存じ上げないと言っているじゃぁありませんか!!」
「じゃぁ彼女が嘘を言っているとでも?」
「判りかねます」
綾子と林の言い合いは平行線を辿り本人である女性をそっちのけでエスカレートしていっている。
顔を伏せ肩を振るわせている女性に滝川がソファーの前に屈み込んで慰めようと話し掛ける。
「えぇっと、あんま気を落とさ....」
「ふ....ふっ.....も、もうダメ....あは、ははは.....」
がその言葉を途中で止切らせた。
何故? だって彼女は肩を振るわせ涙を浮かべつつ笑っていたのだから。
「失礼しました」
「いえとっても楽しかったです、りんさん。 あ、コレ頂き物なんですがお饅頭をどうぞ」
「わぁい、遠慮なく頂きますね安原さん」
「.......ちょっと待て」
「「なんですか?」」
一頻り笑い終わった女性と安原が何て事ないように会話を再開させた事に滝川はまさかと口を挟む。
返って来たユニゾンと越後屋の微笑みを携えた安原とキョトンとした女性の表情に天を仰いだ。
「この女の敵っ!!!!」
まだ続いていたらしい綾子とリンの攻防は盛大な罵声で幕を閉じた。
「ぼーさん、クッキーたべたーい」
「......麻衣? よしよしちょっと待ってろ。昨日買ってきたのがあったはずだ」
殺伐とした空気に気を取られてやや反応が遅れてしまったものの、唐突な愛娘のお強請りに自称パパは、デレデレの顔で給湯室へクッキーを取りに行った。
「あのね、ぼーさんのクッキーおいしいんだよー。おねーちゃんにもあげるねー」
「わーいありがとう。嬉しいなぁ」
にこにこにこと微笑みあう二人。
しかし女性は突如はっとした様にキョロキョロと周囲を見回した。
そして抱き締めていた麻衣をソファーに降ろすと徐に立ち上がった。
「姫と王子が泣いてるみたいなんで私帰りますねー。楽しかったです、皆さんありがとう」
「「「「「「「は?」」」」」」」
にこっと微笑んだ女性は、呆気に取られた一同を顧みる事無く事務所から消え去った。
もちろんリンは壁に向かって「そ、そんなハズは」などとブツブツ呟いていたので気付きはしなかったが。
そんな中、麻衣だけが「おねーちゃん、ばいばーい」と可愛く手を振っていた。
「で、彼女は一体なんだったんだ?」
滝川のその問いに答えられるものは幸か不幸か誰も居なかった。
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