*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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「名前きまって良かったね。良い子に育ってね。間違えてもフォルトレーヌ卿みたいな捻くれオヤジになっちゃダメだよ」
そう笑いながら忠告した上でお嬢さんは、そぉっと赤ちゃん...クォールの髪を撫で、通常は祭司の行う常套句を小さな声で囁いた。
「誰かを癒せる優しい子に....誰かを愛せる心美しい子に....そして、自分で道を切り開ける強い子になりますように....眞王陛下の名の元に新たな命へ祝福を」
そこまで言った時、寝ていたクォールの瞳がぱっちりと開いた。
これには俺たちも、お嬢さんも驚いた。
じっとお嬢さんを見つめたあと嬉しそうに手を伸ばし笑っているクォール。それを見たお嬢さんは柔らかな笑みをさらに深めると、懐から先程とは異なるこの世にただ一つしかない、青地に白い花と双黒竜が印された徽章を取り出した。
そして、徐(おもむろ)にクォールの頭上に手を翳し言葉を送る。
否、贈られた。
「新たな命に贈る
わたくし、渋谷有利の名において
“フェデリコ・クォール”
あなたのこの世に “生” を受けた事に限りない喜びと祝福を
あなたの未来に光があふれますように」
そして頬に祝福のキスを贈り、テティスさんへと手渡した。
見開かれた瞳には驚きと喜びと涙が溜まっている。
そんな2人に苦笑しながら陛下は、“騙したみたいでゴメンね?” なんて言いながら、さらに言葉を続けられる。
「ルチオさん、テティスさん。その子にちゃんと教えてあげてね?一番大切なモノが何なのか。何が正しくて、何がいけない事なのか。そして何より、沢山の愛情を注いであげて。お願いね?」
「「は、はいっ!」」
「あ、ああ...ありがとう、ございます!!」
2人がやっとの思いで言葉を返した時、凛とした軍曹殿の声が響いた。
「陛下、馬の御用意ができましたので、今日は城へお戻り下さい」
「ありがと、ギーゼラ。じゃぁ、またね? あ、そうそう。私の事は街の人たちには内緒でよろしくー♪」
にこやかに手を振りお嬢さんは部屋を後にした。
end
<おまけ>
血盟城へ帰る道の途中、馬を並んで走らせている時、周囲に人が居ない事を確認し気になっていた事を訊ねてみた。
「ところで陛下、あの親子が連行される時なんて仰ったんです?」
「あぁ、あれね。んー、あんまり反省してないみたいだったからね。ちょっとお仕置きを♪」
「王都警備隊の人、この親子を連行して下さい」
「「「はっ!」」」
「ほら、立て!」
「ふん! 丁重に扱わんか、近衛風情が...」
....まだそんな事言う訳ねこのオヤジは。
「フォルトレーヌ卿。私の顔、覚えておいてくださいね?あと、“わたし” は、あなた方の行いに非常に怒りを覚えている事を伝えておきましょう。いいですね?」
「...一体、何を?」
「いずれ判る時が来ますよ。いずれね......ふふふ」
..........可哀そーに、あのオヤジ。
しっかし、にっこり微笑みながらやる辺り、ますます隊長に似て来ましたねぇ。陛下。
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