*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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年の功か、なんとか持ち直したのは長老。
「あのね、グレールさんに、ちょーっと訊きたい事があるんですけど...」
良いですか? と訊ねるお嬢さんに長老は、こう答えた。
「ワシが判る事でしたら...」
その答えに微笑んだお嬢さんは、昨日私たちにもした質問を再び行った。
全ての質問に答えた長老に “ありがとうございました” と頭を下げられたお嬢さん。
その姿を実に眩しそうに見つめていた長老は、再び口を開いた。
「ワシからも、幾つかお訊ねしてもよろしいでしょうか?」
「もちろん! どうぞ」
「この土地に来られたのは、なぜでしょう?」
「するべき事があります」
「最後までやり遂げられるのでしょうか?」
「もちろんです」
「...時は、近いのでしょうか?」
「花祭りまでには」
「一週間ありませんが....間に合いますか?」
「間に合わせます。花の日に笑って下さい」
視線を逸らす事無く言い切ったお嬢さんに長老は天を仰ぐ。
「ヒッツベルガー卿やアンファンソレール卿を、どう思われますか?」
「どう?」
「そのままです。その、人となりと申しましょうか...?」
「ひとことで言うなら、嫌な奴」
「......そ、それは貴女のお考えで?」
「私の周りはみーんな、そんな感じだよね、スケさん?」
「そうですね〜。親分曰く、恥知らずの愚か者。奴は何も言いませんが、我侭プーな坊ちゃんはそれは激しく罵ってましたし、麗しの教官殿もねぇ...軍曹殿の目付きもオカシかったですし、げぃ....えー、ロビン様は、それはもう素晴らしい微笑みで、背筋が凍えるかと思いました」
「....み、皆さん辛辣なご様子で」
「それだけの事をしてるんです。自分で犯した罪は自身で償ってもらいます」
きっぱりと言い切ったお嬢さんの恰好良さに感嘆の溜め息が漏れる。
私たちには、長老とお嬢さんの会話の意味はほとんど判らなかった。
理解できたのは、花祭りまでにやるべき事が有り、ヒッツベルガー卿たちを嫌な奴と言い切った事。
....結構とんでも無いこと言ってるんじゃぁないだろうか?
しかし長老は数瞬瞑目し、静かに言葉を紡いだ。
「我々にできる事はございますか?」
「花祭りの準備を.....あと、何人かにお手伝いをお願いすると思います」
「手伝い、ですか?」
「崩さないといけない砦があります」
「....あぁ、やはり貴女は」
長老は街の人には決して聞こえない様、小さく、本当に小さくそう呟き “御心のままに” と頭を垂れた。
その瞳に光るものが見えたのは私の気の所為だろうか?
「連絡係はデアルが行います。何か有れば宿の方へどうぞ」
リューネ殿がそう告げ、私たちは再び市に戻った。
色んな店を見てまわりつつ休憩所に居なかった者も紹介出来たし、どんな状況に置かれているのかの話しも出来た。
が、楽しい時間はそうも続かない。
市も終わりに差し掛かった時、それはやって来た。
「イヴァン・フェール」
「はい!」
聞き慣れた声に名を呼ばれ振り返れば、ヒッツベルガー卿ともう1人。
この人がお嬢さんが言っていたアンファンソレール卿だろうか?
そんな事を思いつつ頭を垂れる。
「ベンカー卿はどちらだ?」
「今、リューネ様とこちらのお店に入られました」
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