*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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「たっだいまー!!」
「おや?ルーシェお嬢さん、スケサブロウ様お帰りなさいませ」
元気良く声を上げて宿に戻って来られたお嬢さんを出迎えたのは穏やかな微笑みを浮かべた100歳くらいの男の人。
ピシッと背筋を伸ばした礼は非常にカッコいい。
「ただいま、レイカーさん。あのね、今日泊まる人数増やしたいんだけど?」
「はい。スケサブロウ様よりお聞きしております。急な事でございましたので2部屋しか御用意できなかったのですが...」
「十分だレイカー、無理を言ってすまなかった」
「ごめんね〜」
「否々、勿体無いお言葉。一時間も致しましたら夕食のご案内に上がれるかと思います。ルーシェ様も皆様もどうぞお部屋でお寛ぎ下さいませ。デアル、皆様をお部屋に」
「はい。皆様のご用聞きをさせて頂きますデアルと申します。何かございましたらお呼び下さい。では、お部屋に案内させて頂きますのでどうぞ」
デアルさんの案内で2階に上がると、お嬢さんとリューネ殿は “また後でね〜” と手を振り一番奥の大きな扉(おそらく一番良い部屋だろう)に入って行かれた。
「あちらの一番奥のお部屋はルーシェ様とスケサブロウ様のお部屋になります。御用の場合はわたくしに仰って下さい。取り次ぎをさせて頂きます。皆様はこの2部屋をお好きにお使い下さい。備え付けの物は何でもご使用頂いて結構です。足りない物がございましたら御申し付け頂ければご用意致します。何かご不明な点などございますか?」
「え?」
話の流れに付いて行けない私たちはマヌケな声を上げる事しか出来なかった。
そんな私たちを見下す事も無く、デアルさんは微笑んで再度訊ねてくれた。
「何かご質問はございませんか?」
「えっと.....先程、下でお会いしたレイカーさんというのは?」
「これは失礼を致しました。レイカーは当宿の支配人を務めております。お食事前にもう一度ご挨拶するよう伝えておきます」
「い、いえ!お気遣い無く」
「他には何かございますか?」
「あのお嬢さんとリューネ殿は一体どなたなのでしょうか?」
「どなたとは?」
「私たちは、つい先程お会いしたばかりで、何をお考えなのかが判らないのです」
「ご本人にお訊きになられては? きっと答えて下さいますよ」
「そ、その! 良い人なのは判るんですが、どの様な方なのかだけでも....」
「この宿で働きます者は、ルーシェ様とリューネ様のお人柄は重々理解しております。が、皆様がどうお感じになるかは誰に訊かれるものでもありません」
慌てて言い繕う私たちにデアルさんはハッキリとそう言い切った。
「ち、違うんです!!その私達が普段見慣れている貴族の方々とは全くもって違う事は判るんです!判るのですが、理解が追い付かなくて...簡潔にで良いんです!どの様な方なのでしょうか!?」
力の限り叫んだ私に、デアルさんはパチクリと瞬きをして次いで瞳を緩めた。
「そうですね、うーん。一言で表すなら “素晴らしい主(あるじ)” でしょうか? これは私が感じた事ですから皆様がそう思うという訳ではありませんが、私はルーシェ様にお仕えしているスケサブロウ様が羨ましいです」
「う、羨ましい...?」
「はい。職業柄、色々な貴族の方々を拝見して参りましたが、あの方以上の主はいらっしゃいません。しばらく共にお過ごしになられるのですから、ご自身の瞳で判断されるのが良いかと。時に皆様、お召し変えは宜しいので?」
そう言われ全員 “はっ” とした。そうだこの後お嬢さん方に一緒に夕食をと言われていたのだ。
流石に汗と埃まみれのこの格好ではマズイ。
「そちら左手奥がお風呂となっております。隣の部屋も同じ位置にございます。広めに設計しておりますので2人一緒でもお使い頂けると思います。では、私は一時失礼致します。食事のご用意が出来ましたらお迎えに上がります」
にこやかに微笑んだデアルさんは一礼し部屋から退出された。
部屋に残された私達は、それは素晴らしい早さでお風呂に入り着替えた。
デアルさんは2人でと言っていたが、3人で入っても余裕なほどお風呂は広かった。
ハッキリ言って普段ヒッツベルガー卿に使用許可を頂いているお風呂より広くてキレイだった。
後でまたゆっくり入りたいな。
さっぱりした身体で寛いでいると、デアルさんが迎えに来てくれた。
コンコン
「皆様、お食事の用意が出来ましたのでどうぞ食堂にお越し下さい」
“はい” と返事をし後ろを付いて行くと大きな扉が在った。
デアルさんは姿勢を正しノックする。うーん、カッコイイ。と、それはさて置き、えーっと....デアルさんが開いた扉の向こうにはお嬢さんとリューネ殿が居た。お2人も着替えられたようで先ほどよりも動きやすそうな服だ。
「おぉ、来たな」
「皆さんコンバンワー。好きな席に座ってねー。レイカーさんご飯よろしく♪」
「はい、ルーシェ様。皆様まず紅茶はいかがでしょう?」
「あ、頂きます」
全員に紅茶が配られ、喉を潤した所に料理が運ばれて来た。
お嬢さんが “遠慮せず食べ切ってね” なんて言われるので物凄い勢いで食べてしまった。
周りを見れば、皆も同じ様だ。
ルルックなんてもう食べれないとお腹を擦っている。
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