*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「千鶴、誤解だっ!!!」
「もういい!!平助君なんて大っ嫌い!!!」
突き出した右手は空を切り、幼なじみの背中はみるみる内に小さくなった。
先ほどまで慌てていた平助は「大嫌い」という言葉のショックに千鶴を追い掛けるという事さえ思い付かず、立ちすくんでしまったのだった。
「なぁんかウザくない?」
「総司、聞こえたらどうするんだ」
薄桜学園の剣道部と言えば全国でもトップクラスの実力を誇る。
中でも沖田総司と斎藤一の名前は知らぬ者など居ない程に知れ渡っていた。
その2人が視線を向けるのは後輩の藤堂平助。
技術的には2人には劣るものの、次期薄桜学園剣道部を背負ってゆくのは平助だと思われている。
「だってさー、一君もそう思わない?あれ、いい加減鬱陶しいと」
「............平助は真面目に悩んでいる」
沖田の言葉に一瞬言葉を詰まらせたものの、後輩思いな斎藤は平助を擁護する言葉を繋ぐ。
朝練の真最中だというのに平助は剣道場の隅っこで壁に向かってぶつぶつと呟き続けているのだ。
こうなったのは十中八九、幼なじみの千鶴と喧嘩でもしたのだろうと2人は思っている。
というか、それ以外に平助があそこまで落ち込む事なんて想像出来ないだけだが。
「まぁ、僕としては平助と千鶴ちゃんが別れてくれれば万々歳な訳だけど」
「総司」
「...........冗談だよ。平助はともかく千鶴ちゃんが泣いちゃうのは可哀想だもんね」
沖田にとって大事なのが千鶴だけだと判る言葉に、斎藤は溜め息を吐いた。
しかし平助も一応は気に入られてるのだろう。
でなければ沖田が千鶴に対して本気で行動を起こしている筈だから。
「平助も雪村も可哀想に」
「一君?」
小さく呟いた声は沖田には聞こえなかったらしい。
首を傾けた沖田に何でもないと返し斎藤は、平助をどうすべきか考えた。
「平助」
「........一君?」
「何があったかは知らないが今は部活中だ」
暗に練習をしないのなら出てゆけと言われた平助は、ハッとしたように周囲を見渡してから竹刀を持った。
「ごめん、一君」
「気にするな.......平助。話しをするのなら早い方がいいと思うぞ」
「..................ありがとう一君」
PR
カウンター
nextキリ番 300000
カレンダー
02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
最新記事
(01/13)
(08/20)
(08/19)
(12/10)
(08/18)
(05/03)
(01/07)
(08/21)
(08/16)
(08/10)
(06/17)
(05/24)
(05/11)
(05/05)
(04/26)
(04/13)
(01/11)
(12/15)
(11/09)
(11/09)