*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
わたくしの名前はレイチェル。
SPRで受付嬢をさせて頂いております。
先日、ディビス博士が久し振りにお戻りになられてからというものどうも研究室に勤める友人たちが騒がしいのです。
曰く、“信じられないモノを見た” だの “この世の終わりが近づいている” だの。
どういう意味か? と説明を求めても誰も答えようとはしてくれず、わたくしのフラストレーションは溜まる一方です。
しかし、そんなわたくしも遂に遭遇したのです!!!!
その時わたくしは、神に感謝の祈りを捧げました。
あのような光景が見れるのならば、例え世界が滅びようともわたくしは構いません!
そこはSPR敷地内ではありますが、建物の死角に有る所為か人が来ない裏庭のような所でした。
そう広くはないスペースですが小さなベンチが2つ有り周囲を木に囲まれとても静かで落着く場所です。
実はわたくし、そこが結構お気に入りで、一人で食事を取る時などは利用していたのです。
今日もお昼をそこで取ろうとサンドウィッチを手に向かえば先客がいらっしゃいました。
姿は見えませんでしたが、小さな歌声が聴こえました。
小鳥のさえずりの様に実に心地良い声でした。
一体誰なのか? と少し顔を覗かせれば、小柄な少女がベンチの端に座っていました。
彼女は穏やかな春の陽射しに照らされており、その姿はとても神秘的で「裁きと預言の解説者」であり「神の光」の名を持つ大天使ウリエル様の絵画を見ているようです。
しばらくその歌声を聴いていたわたくしですが、ふと彼女の手がゆっくりと動いている事に気付きました。
その手の先に視線を移せば、彼女の横に寝転ぶ男の人がいらっしゃいました。
彼女の手は彼の髪を優しく梳いており、瞳もとても優しい色を浮かべておりました。
その様子は、溜め息が出そうなほど心震える情景でした。
しかし、あの体勢は俗に言う “膝枕” というものでしょうか?
まるで夢の中や雲の上にいる気分を味わっていたわたくしですが、ふと聴こえた声に
一瞬にして現実世界へと引戻されました。
「あ、起きた。煩かった?」
「否、時間は?」
「ん? まだ2時。寝てて良いよ」
そう言うと再び彼女は彼の頭を撫でているのです。
が、わたくしはそれどころではありませんでした。
い、い、今の声は...ディビス、博士?
まさか!!!?
驚愕というものはこういう事を言うのだと、わたくしは実体験致しました。
呆然としたまま、わたくしは彼と彼女を見直しました。
すると彼は彼女の方に手を伸ばしました。
まず彼女の頬に触れ、髪を弄ったりしているではありませんか!!!
他人に触れられる事も、触れる事も厭うことで有名なディビス博士が触れられる事を許容するばかりか自身から手を伸ばし彼女に触れているのです!!
「くすぐったいなぁ」
クスクスと笑う彼女に、博士は瞳を細めました。
「麻衣、唄」
と告げると、瞳を閉じられました。その時のお顔と声のなんと穏やかな事!!
再び紡がれだした旋律に、わたくしは静かにその場を去りました。
わたくし、これ以上その場に居座るほど無粋な女ではございませんわ。
その日の夕方、わたくしは教会へと赴きました。
あぁっ神様! なんて神秘的で素敵な光景だった事でしょう!!!
四大天使で在らせられるガブリエル様とウリエル様に遭遇したような気分です!
主よ。わたくしは、今日のこの出会いに感謝を捧げます!!
end
PR
カウンター
nextキリ番 300000
カレンダー
02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
最新記事
(01/13)
(08/20)
(08/19)
(12/10)
(08/18)
(05/03)
(01/07)
(08/21)
(08/16)
(08/10)
(06/17)
(05/24)
(05/11)
(05/05)
(04/26)
(04/13)
(01/11)
(12/15)
(11/09)
(11/09)