*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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どさっ
「ち、ちょっと! なぁ、おい。アンタ目見えてないんだから大人しくしてろって」
急にソファーに押し倒され焦るエドワードを無視し、ロイはエドの手首を攫み引寄せるとその掌に口付けを落とす。
驚いてロイを見つめるがロイの瞳は閉じられたまま。
一体どうしたんだと眉を顰めたエドワードにロイはゆっくりと瞳を開いた。
「エドワード」
「っ!! あ、アンタ目が.....?」
「いいや、残念ながらまったくもって見えないとも。君の顔も、攫んだこの腕さえも.....」
「..........たいさ」
「こら、そんな顔をするんじゃない」
「そんな顔って...................見えない癖に」
見えるのか!? と意気込んで思わず声を上げたエドワードだったがロイの言葉に顔を歪ませる。
そんなエドワードにロイは穏やかに笑う。
アンタ何でそんな顔で笑えるんだよ。
勝手に人体錬成させられて、勝手に光を奪われて、なのになんで.....
ホムンクルスとの戦いの時、ロイに何もしてやる事が出来なかった不甲斐ない自分に、理不尽な等価交換をさせられたという悔しさに エドワードの瞳に涙が溜まる。
まるでそんなエドワードの心の声が聴こえたかのようにロイはエドワードの頬を優しく撫でる。
「そうだね。でも、君が私に世界を見せてくれるのだろう?」
ロイの言葉にエドワードは瞳を瞬く。
ゆっくりと顔を上げたエドワードにロイは「違うのかい?」と訊ねる。
そこにあったのは、いつもと変わらないニヤリとした笑み。
自意識過剰で胡散臭くて子憎たらしくていつだって自信満々なロイ・マスタングがそこに居た。
「っぅ.......っう........................ひっく」
もう止まらなかった。
エドワードはただ子供のように泣いた。
あとからあとから溢れ出す雫は留まる事を知らずその頬を濡らしてゆく。
「困ったな...............エド、エドワード? 泣き止んでくれないか?」
「っうう.......っう」
ソファの上に座り直しエドワードを膝に抱き上げたロイは、その止まらぬ涙を拭い、背中を撫で、頬や額に口付けを落としながらエドワードが泣き止むのを根気強く待った。
そして漏れる嗚咽が小さくなってきた頃、ロイはエドワードに声を掛けた。
「エドワード、君に尋ねたい事がある」
「.................んだよ?」
大泣きした事が恥ずかしいのか、拗ねたような返事のあと金色の頭が持ち上がる。
そんな見えなくても判るエドワードの気配にロイはまた笑う。
「きっと大変だと思う」
主語の無い言葉にエドワードは首を傾けるが、ロイはただ淡々と言葉を紡ぐ。
「色々と迷惑を掛ける事が沢山あるだろうし、今までと違って出来ない事だって増えるだろう。このまま今の地位に居られる保証も無い....それでも君は隣りに居てくれるかい?」
「俺は」
応えようとした声を制しロイは先ほどのエドワードと同じように、その手を握り自らの胸に引寄せた。
その姿はまるで、何かを誓うかのように.....
「これから先の人生を、私と共に歩んでくれるだろうか?」
闇色の瞳に真摯な想いを乗せロイは訊ねた。
対する金色の瞳に浮かぶのは愛しさと喜びとが折混ざった美しい笑顔だった。
end
おまけはガンガン6月号を読んで沸いた妄想(笑)
あの最後から3ページの「鋼の」これだけで妄想し放題ですともvvv
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