忍者ブログ

*藤袴 -thoroughwort-*

☆次回イベント予定☆                                                ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★                  

2024/05    04« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »06
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




「それで結構です。邸の間取りと邸周辺の様子はどうなってますか?」
「えー、三枚目〜五枚目にかけて外観写真と庭の写真があります。図面は見付からなかったので正式な間取りは判りませんが二階建てで邸の中心に吹抜けの大きなホールがあります。他の部屋というか、角方角ごとに一つの棟になっているのですが、それぞれ、そのホールを囲むように配置されてます。ホール前面が玄関ホールと繋がっていましてパーティーなんかの時、玄関から直接ホールへ招待出来るよう配置されてるようです。恐らく同じ理由で賓客用の客室、娯楽ルームなどの部屋は玄関に入って右側、迎賓棟に続いてます。玄関から左側の棟は伯爵方が住居としてお使いのようです。最後はホールの奥、そちらが調理場など使用人の部屋などを集めた使用人棟となります」
流れるように説明をするヤスハラさん。
たった一日で家族構成以外にここまで調べられるなんて、スゴイわ。
...でも図面が無かったと言うのに、どうやって使用人棟があるなんて判るのかしら?
そんな事に思考を飛ばしてた私を、楽しそうな声が引戻した。
「そう言えば、面白い情報を見つけたんですが...」
にっこりと笑いながら、ヤスハラさんが思い出したように言った。
「以前こちらの邸に務めていた方のお孫さんにあたる方が聞いたお話なんだそうですが或る決まった周期で使用人棟に幽霊が出るんだそうです」
だからそんな情報どうやって.....?
依頼主の伯爵でさえそんなこと言っていなかったのに。思わず遠い目をしてしまったのは私たちだけのようだ。
マイたちは平然と資料に目を走らせているし、博士に至ってはかなり興味を惹かれた様子でヤスハラさんに質問している。
「周期とは?」
「条件は、新月の夜。それだけで、現れる幽霊も決まっていないんだそうです」
「決まっていない?」
博士が眉を顰め呟くように訊ねる。
「ある人は子供だと言い、またある人は老人だと言う。性別も男だったり女だったり。一人だったり三人だったり、一貫した情報はまったく無いんです」
「それは、同じ日に何人もの幽霊が現れるのか? それとも見た日や時期が違うのか?」
そう質問したのはタキガワさんだ。ヤスハラさんは申し訳なさそうに答える。
「すみません、その辺りは不明です」
「それは今の使用人に尋ねればある程度判るでしょう」
「そうですね。とりあえず、僕の報告は以上です。あとは、土地の伝承と、伯爵家が建てた別邸や別荘なんかの情報と同じ建築家によって設計され建てられた家が無いかを調べたいと思うのですが?」
“それでお願いします。” という博士の声で報告は終了のようだ。
今の報告に博士は満足したらしい。
「すげぇ〜。俺、事前調査員がオリバーに “役立たず” って言われなかったの初めて見た」
「ヤスハラさんの資料も説明も素晴らしかったもの当然よ」
「確かにそうだけど、それより博士が挟まれた質問に的確に答えられる事に私、感動したわ」
「そんなに褒められると僕、照れちゃいますー。それに、まだ一時報告ですから」
一時報告? と首を傾ける私たちを尻目にヤスハラさんは博士に向き直る。
「ところで所長。僕が入れる国立図書館とか無いですか?」
「......ケンブリッジ大学内の図書館と資料館なら僕の署名で入れます。研究所内にも資料室があるので好きに見て頂いて結構です」
少し思案した博士はそう答え、ルイスに “大学と研究室の見取り図を” と言う。
えーどこだっけ? と言いながら雪崩れの起きそうなデスクを捜索するルイス...
私のを探した方が早そうだ。と思い私もデスクに向かう。
「一般の図書館は、SPR発行の身分証明が出来てからの方が良いでしょう。明後日の朝には、まどかが用意出来ると言っていたので」
「了解しました。では、今日は大学の方へお邪魔してみます」
「あ、有りました。博士、地図です」
そう言って私は、見つけた地図を博士に手渡す。
「どうも」
「ナル坊、俺たちはー?」
今度はタキガワさんだ。否、アヤコやマサコたちも博士の指示を待っている。
「松崎さん、こちらの木は?」
「海外でも会話出来る木を見つけた事はあるけど、使えるかは正直判らないわ」
眉を顰め答えるアヤコに博士は頷き、地図を広げ、いくつか丸い印をつけていく。
“会話のできる木” とか “使える木” って何かしら?
「では確認してきて下さい。ここと、ここ。あと中央。樹齢の長い木が有ります」
「判ったわ」
「あと原さんも」
「あたくしも?」
「北校舎の廊下、中庭、時計塔の霊視を」
「判りましたわ」
「じゃぁ、俺は護衛かなー?」
「あと記録係」
「は?」
「ハンディで良い」
「..............了解」




 

拍手[14回]

PR
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
管理人のみ閲覧

カウンター

 
nextキリ番 300000 

☆リンク☆

*オフ用(ふじおりさくら)
ふじおりさくら

悪魔ナルアンソロジー
悪魔ナルアンソロジー

着衣エロアンソロジー
着衣エロアンソロジー

GH&悪霊サーチ
GH&悪霊サーチ

悪霊世界征服
悪霊世界征服

GH-OFFNAVI
GH-OFFNAVI

ロイエドサーチ
ロイエドサーチ

鋼お題&素材 鋼アイコン

+魔王シンドローム+
+魔王シンドローム+

まるマアイコン

堕天使襲来

Egg*Station Egg*Station

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新コメント

[08/02 桜花]
[03/29 K]
[03/23 水瀬]
[03/05 水瀬]

バーコード

ブログ内検索

忍者アナライズ

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- *藤袴 -thoroughwort-* --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]