*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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それは休日の早朝の事でした。
日課にしているスズメさんたちへの餌やりを終え私も朝食を取ろうと食卓に着いた時に起こったのです。
白粥と煮物という質素ながらも温かい料理と青茶(チャンチャ)。
まったくもっていつも通りの朝の風景だったのです。
ピーンポーン
突如鳴り響いたインターホンの音に私は思わず時計を見ました。
朝6時半。
非常識にも程がある。
とは思えど仕事ならば隣りに住んでいる年下の上司は時間など関係なく持ち込んで来る事は判っていたので
今回もその類いであろうと私は手に持った箸を置き玄関へと向かいました。
オートロックを解除しドアを開くと、そこには黒髪の上司が.......いませんでした。
否、上司は疎か誰も居なかったのです。
一瞬、我が家に心霊現象なるものが発生したのかと考えてしまいましたが、その思考は直ぐに寸断されたのです。
なぜなら
「パパー♪」
という声と共に太腿に激しい衝撃が訪れたのです。
聞き覚えのある声ではありますがその見慣れた姿はありません。
私は恐る恐る視線を下へと降ろしました。
すると5歳くらいの可愛いらしい少女が私の太腿に捕まり満面の笑みを浮かべて私を見上げていたのです。
少女は私と目が合った事が嬉しいのかさらに、にっこりと笑いこう言いました。
「パパ♪」
....................!!!!!!!!?
ち、ちょっと舞ってじゃなくて待って下さい!!!!
パ、パパって誰の事デスカ!!? 否、この場合ワタシの事でしょうか!?
このとてつもなく某国に居るであろう上司にソックリな目の前の少女が私をパパと....
パパ!!!!!!?
完全に私の脳の許容範囲を越えてしまった衝撃に私の意識は遠くなりました。
が、しかし目の前の少女はそんな事さえ許してはくれませんでした。
「ちょっとパパ!! なにゲンジツトウヒに走ってるのよ! 男でしょしっかりしなさい!!」
腰に手をやり、びしっと私に説教をした少女は固まったままの私に向かってさらに追い打ちを掛けるように呟くのです。
「男ってこれだからつかえないのよね」
ふぅ...と5歳児とは思えぬ溜め息を吐いた少女は再び私に視線を戻します。
今度は一体何を言われるのかと身構えた私に少女は事も無げに告げます。
「ところで、そろそろ家にいれてくれない? シセンがイタいわ」
それだけ言うと少女は私の隣りをスタスタと歩いて家の中に進みました。
本来なら止めるべきなのでしょうが、そんな事さえ今はどうでも良いと思ってしまいました。
なぜなら、衝撃のあまり脳が凍り付いていた私は気付けなかったのですが、早朝の玄関先でこれだけ騒いでいれば
ご近所の方々が一体何事か?と気になるのは道理。
数件の玄関のドアが僅かに開かれ、その隙間から幾つもの瞳が覗いていました。
その中には見知った亜麻色の髪の少女が居ます。
私と目が合った瞬間、さっと視線をズラしますが皆さんドアを閉めようとはなさいません。
自分の頬が大きく引き攣ったのが判りました。
明日.....否、今日の午後にはきっと私の隠し子疑惑が真しやかに囁かれている事でしょう。
................泣いても良いでしょうか?
end
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