*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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愚か者の愚かなる所業
イギリス、SPR研究所内の応接室に三人の男の姿が有る。
一人はいかにも英国紳士な格好をした老人。
名を、サー・ドリー。職は辞したとはいえ、SPRの重鎮の一人に数えられる。
その隣にまだ若い青年。
名をオリヴァー・ディビス。最年少で博士号を取得した天才である。
イギリスでは珍しい漆黒の髪と瞳を持つ事も然ることながら、その魔的なまでに美しい容姿は一度見たら忘れる事はできないだろう。
しかしその秀麗な顔は素晴らしい不機嫌さに彩られていた。
その原因は、彼らの向かいに座って持論を展開している男の所為である。
年は50代後半だろうか? 格好は老紳士とさして変わらないが、伯爵という地位に相応しくカフスやネクタイなどの細かい部分にも凝った意匠が刻まれている。
相手が自分の話を否定しない事が当然だと思って愚かな伯爵は青年の不機嫌さとドス黒いオーラに気付くこと無く尚も言葉を重ねる。
「ディビス博士、そろそろこちらに帰って来られないのですか?貴方ほどの方がわざわざ東方の小さな島国になど行かれなくても良いでしょう?能力者だって我が国に優秀な者が沢山おります。低級な者とあまり関わられますと貴方の品性も疑われますぞ?」
伯爵の最後の科白に部屋の温度が5℃ほど下がった。
「お気遣い感謝致します」
そう返したオリヴァーは凄まじく不穏なオーラを背負っている。
少なくともサー・ドリーはそう感じた。
さすがにこれ以上はマズイと判断し、お帰り頂こうと口を開く。
「伯爵、そろそろ言われていたお時間では?」
「おぉ、これは失礼。遅れると妻の機嫌が悪くなってしまうので、これにて。ドリー卿、ディビス博士またお逢いしましょう」
そう言うと、卑しい笑みを浮かべて伯爵は帰って行った。
「オリヴァー、顔が怖いぞ」
「ドリー卿。頭の悪い下等生物と話すこと程の時間の無駄は無いと、僕は改めて確信しました。伯爵とは今後、一切お逢いするつもりはありません。僕への援助も打切って頂いて結構です」
“寧ろそうして下さい” と言うと、青年は静かに辞去した。
青年の深い怒りを目の当たりにした老人は、ただ面白そうに笑った。
「...珍しい。オリヴァーが他人のことで腹を立てるとは。是非とも逢ってみたいな、オリヴァーを変えた日本の友人たちと.....」
「しかしオリヴァー。依頼を受けたからには逢わない訳にはいかんぞ?」
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