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*藤袴 -thoroughwort-*

☆次回イベント予定☆                                                ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★                  

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ふわりと浮上した意識の先には、まばゆい光が射し込んでいた。
まず見えたのは白い天井。
何度か瞬きをした後そこから視野を広げていけば、見えるのは風に揺れるレースのカーテン。
ゆっくりと起き上がると左腕に点滴の針が刺さっている事に気が付く。
ここは病院、だろうか?
いまいち核心が持てないのは、この部屋には病院特有の消毒液の香りがしない上
ソファーやテーブル、流し台なども完備されてるからだ。
えぇと。
何がどうなって今、自分がここに居るのか?
そして、ここがどこなのかをまず把握しよう。うん。


そうだ、自分はホムンクルスと戦って居たはずだ。
飛び飛びの記憶だが大切な事にかは覚えている。
奴らがお父様と呼ぶ親父そっくりな人の、仲間になれという要請を跳ね退けてエンヴィーと戦って居た。
血を流し過ぎたんだろう、身体は重く言う事を聞かなくなり意識が朦朧としていた。
殺されると思った時、プライドが現れて自分の目の前にアルフォンスを叩き付けた。
ボロボロなアルを見た瞬間ダメだと思った。
頭の中を駆け巡った構築式に考えるより先に両手を打ち鳴らそうとした。
しかし、それより早く後ろから強烈な錬成光が襲ってきた。
後ろにも敵が居たのか!? と思ったが、来るはずの痛みは感じない。

一体何が?

激しい光にが収まり、閉じていた瞳を開くとエンヴィーとプライドの姿は無かった。
代わりに居たのは、アルフォンス。
鎧ではなく、持って行かれた生身の身体でそこに居た。
自分は白昼夢でも見ているのだろうか?
それとも先ほどのこうげきで実はもう死んでいるのだろうか?
動く事もできず、呆然とアルフォンスを見つめていた。



「エドワード」

それが自分の名前だと認識するのに少し時間が掛かった。
声のした方を振り向けば、親父がこちらに歩んでくる所だった。

「無事か、エドワード?」

そう言って頭に触れられた瞬間、背筋に走った悪寒。
俺は本能が告げるままに両手を打ち鳴らしていた。
崩れ落ちる足場を難なく避け、舞い上がる砂埃の向こうで奴は笑っていた。

「さすがはホーエンハイムの子供。私に気付いたか」
「てめぇ一体どういうつもりだ?」

おもいっきり睨み付けるも、奴は涼しい顔をしたままだ。

「どう、とは何かね?」
「エンヴィーたちはどうした!」
「君は既に答えを知っているだろう?」

にやりと笑う奴に虫酸が走る。

「悪趣味な...」
「ホムンクルスは、また作れば良い。だが、君たちはそうはいかない。アルフォンスは既に身体から魂が離れかけていた。にも関わらず、プライドが無理をさせるから、もう限界だった。それは君も判っただろう?」
「くっ!」

その言い様にぎりっと歯を噛み締める。確かにあの時、アルを錬成しなければダメだっただろう。
無理やり留めた魂を再び定着させられる確率は限りなく低い。

「君は、自分を材料に弟を錬成しようとしていた。私はそれを許す訳にはいかない。ならば他の材料を使えば良い。それだけの話だ。」
「それだけ、だと?」
「大事な人柱が失われる事を思えば些細なことだ」

てめぇ!と殴り掛かろうとした瞬間、俺と奴の間に新たな亀裂が走る。
慌てて後ろへ飛び間合いを取る。

「相変わらず破状した精神だな」
「ホーエンハイムっ!!」
「お、やじ?」

今までの怒りも忘れて暫し、呆然と瞬きを繰り返してしまった。なんっーか、シュールな光景だな。親父と親父そっくりな男が向かい合ってるのは...

「エドワード。アルフォンスを連れて離れていろ」
「へっ?」

違うところに思考を飛ばしていた所為で間抜けな返しをしてしまった。

「できれば医者に診せるんだ。長い間、魂の離れていたアルフォンスの身体が今、どういう状態か私にも判らない。早く行くんだ!」
「わ、判った!」

親父の言葉にやっと脳が回ってきた。

「待てっ!!」
「お前の相手は私だ」
「大事な人柱を逃がす訳にはいかん。どけ! ホーエンハイム!!」
「断る!」

親父たちの言い争う声が響く中、俺はアルフォンスの元へ走る。

「アル...」

意識は無いが “生きている” その事に震えそうになる。顔色もそう悪くなさそうだ....
こんな形で取り戻す事になるとは予想もしなかった。
とにかくアルを運ばなくては。丁度良い板を見つけたので台車を錬成しアルを乗せる。
“医者” と言われて思い至るのはノックス先生。
だが......
迷っている時間は無い。俺はアルを連れその場を離れた。






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