*藤袴 -thoroughwort-*
☆次回イベント予定☆ ★2017.8.20.SCC関西23 ふじおりさくら(ゴーストハント)★
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ふわりと浮かんだ意識
目映い光の渦に、誰かが自分を呼ぶ声だけが聴こえた気がした
それは唐突だった
今までいた空間は、地に足が付いている事は判るものの何も無い空間だった
どちらが前でどちらが後ろなのか検討も付かない
随分長い時間ここに居た気もするし、ほんの数分の様な気もする
明るいのか暗いのか、目を開けているのかいないのか
全てを知っているのに、何も知らない
そんな相反する世界に居た自分にただ「声」だけが届いていた
「エドワード」
呼ばれた
そう認識した瞬間
世界は再び、俺の前に訪れた
────アメストリス────
つい半年程前
軍内部、特に上層部に入り込んでいたホムンクルスの暗躍によりアメストリス国民全員が、賢者の石の材料として殺されようとしていた。
しかしそれに気付いた一部の軍人と数名の国家錬金術師の活躍でそれは未然に防がれた。
今、国民は何事も無かったかの様に穏やかに生活を送っていた。
一部の例外を除いては...
セントラルシティ、中央司令部の司令官室。
そこに彼は居た。
ロイ・マスタング中将
30歳という若さで中央司令部、司令官。
はっきり言って普通では有り得ない地位である。
しかし、国民も他の軍人もこれを認めない訳にはいかなかった。
なぜなら、半年前。
ホムンクルスの陰謀にいち早く気付き、反逆者の疑いを掛けられようとも、国の為、国民の為に、ホムンクルスを倒し、軍部内の暗躍者を一掃し見事勝利を挙げたのだ。
その素晴らしい功績により異例の三階級の特進を果たした。彼の手足となり働いた直属の部下もそれぞれ二階級の特進を果たしている。
彼に賛同し協力したアームストロング少将は大将となり北方司令部の司令官に任命された。もしろんブリックスも彼女の管轄だ。弟のアームストロング少佐は大佐になり東方司令部の司令官へ、グラマン中将は大将となり副総統の地位に抜擢されている。
軍高官という地位と権力。
そして国家錬金術師としての頭脳。
しかも全て実力で手に入れた上、端正な顔立ち、オニキスの様な瞳と同色の髪。
彼さえ望めばどんな地位の女性でも手に入るだろう。
他人から見れば、羨ましい限りだ。
しかし、彼の心は決して満たされてはいなかった。
「中将」
「ホークアイ少佐か。何だ」
「07:58、セントラル銀行への強盗の件は片付きました。これから調書を取ります。現場に出でいた者が仮眠を取らせてからの検証となりますので中将にして頂く仕事はありません。少しお休み下さい」
「...了解した」
「本日、夕方まで来て頂かなくて結構です」
「君ね」
「結構です」
にっこりと女神の微笑みで言われてしまえば逆らえる訳がない。
ロイの方が上官なのだが、と言う現実はここでは意味は無い。
「了承した。 ...何か有れば連絡を」
そう言って立ち上がり、司令室を出る。
向かうはいつもの場所だ。
少佐も判っているから何も言わない。
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